気管ステント

気管虚脱という病気をご存知ですか?気管虚脱は中高齢のトイ種(チワワ・ポメラニアン・マルチーズなど)のワンちゃんに多く発生します。

「ガァガァ」とガチョウの声のような咳が特徴で、長く続くと体内の酸素が足りなくなり、チアノーゼを起こしてしまいます。原因は心臓病性の発咳や慢性気管支炎、肥満、遺伝的素因と言われています。
診断は吸気(息を吸ったとき)と呼気(息を吐いたとき)のレントゲン写真や透視で診断し、胸部気管虚脱と頸部気管虚脱に分けられます。多くの場合、湿度の高い時期や夏場に悪化し、過度の運動、興奮も良くありません。

気管は図のように35~45個の気管軟骨を弾力性のある輪状靭帯で連結したフレキシブルパイプのような構造をしています。正常な気管軟骨はC型ですが気管虚脱では扁平に潰れてしまします。写真の矢印の部分が虚脱を起こし扁平になっている部分です。一度潰れてしまった気管軟骨は残念ながら元には戻りません。

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軽度の場合、内科療法でよくなります。できるだけ興奮を避けたり、梅雨時は除湿器で湿度を下げ、夏はエアコンを使い室温を下げることで悪化を予防することが出来ます。また肥満気味のワンちゃんは減量するのが一番の薬になります。

重度の場合 様々な外科的治療が試されています。それぞれの術式に問題点がありゴールデンスタンダードがないのが現状です。
当院ではINFINITI MEDICAL社の気管ステントを用いた治療を行っています。
ステントによる治療は気管虚脱の緩和であり治癒ではありません。ただステントの破損、異物反応などは従来の製品より大幅に改良され、データでは75-90%に症状の改善が認められています。

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横須賀 つだ動物病院 津田 航

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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