愛犬も飼い主さんも安全に楽しむための冬の散歩7つのポイント
寒くても大切な犬の散歩
こんにちは、横須賀市にある「つだ動物病院」院長の津田航です。
本格的な冬となり、毎日寒い日が続くと、ついワンちゃんも飼い主様も、暖かい家から外に出たくなくなってしまうことがあるのではないでしょうか。特に寒さに弱い犬種だと、散歩に連れ出すのがかわいそうな気がしてしまいがちです。
でも、寒いからといって散歩に行かないことで、ワンちゃんは飼い主様が考えている以上にがっかりしているかもしれません。というのは、ワンちゃんは本当に散歩好きな子が多いからです。
ワンちゃんにとっての散歩は、体をたくさん動かせるタイミングです。またワンちゃんは、普段自分が暮らしている縄張りの様子をきちんと把握しておきたいという強い欲求を持っています。さらに外は、室内では味わえないような自然や人混み、街の喧騒など、さまざまな刺激を受けられる場でもあります。そして何より、散歩は家の中では得られないような飼い主様との交流を図れる場でもあるのです。
こういった散歩でしか味わえないたくさんの刺激は、ワンちゃんが健全に成長していくためになくてはならないものです。そのため、たとえ寒くなっても、できる限りワンちゃんとの散歩はやめないであげてほしいと思っています。
そこで今回は、冬でもワンちゃんと飼い主様が、安全に楽しく散歩をするためのポイントをご紹介したいと思います。
なお、ワンちゃんの散歩に関する効能や効果については、以前のブログも参考になさってください。
寒さ関連の工夫ポイント
◯1.ワンちゃんの防寒対策
ワンちゃんは総じて寒さに強いと思われがちですが、実は犬種によって寒さへの強さが異なります。特に寒さに弱い犬種や寒さに弱い要素を持っているワンちゃんの場合は、散歩に出かけるときの防寒対策をしっかりと行いましょう。
ワンちゃんに洋服を着せるのは「不自然だ」とか「人間のエゴだ」と感じる飼い主様もいらっしゃると思いますが、冬の散歩では、防寒対策として犬用のコートやセーター、レインコートなどを着せるのは、決して悪いことではありません。また、雪が積もったり霜が降りたりするような地域では、肉球の霜焼け対策として犬用のレインブーツを履かせるのも良いでしょう。
ワンちゃんの体格に合ったサイズのもの、誤飲するような飾りがついておらず動きやすい安全なデザインのものなど、ワンちゃんのことを考えて選んだ防寒着を着せてあげることは、安全で有効な防寒対策です。
また、外に出たら急に走らせたりせず、最初は準備運動がてらゆっくり歩くようにしましょう。さらに、急激な温度差はヒートショックの原因になりますので、避けてください。
寒さに弱い犬種については、こちらのブログも参考になさってください。
<寒さに弱い犬種の特徴と寒がりでも快適に過ごせる室内環境管理>へのリンク
ヒートショックについては、こちらのブログも参考になさってください。
◯2.散歩に適した時間帯
飼い主様の生活スタイルによっては難しいかもしれませんが、できれば冬の時期の散歩は、日中の暖かい時間帯に行えればそれに越したことはありません。在宅勤務等、融通の利くお仕事であれば、ぜひ暖かい時間帯に散歩をさせてあげましょう。
日中に時間を作るのが難しい場合は、1回の散歩時間を短くして、その分回数を増やしてあげるのも良いでしょう。
◯3.帰宅後のお手入れ
散歩から帰ったら、丁寧に体や足先などについた雪や土、枯葉などを拭き取り、水分を取り除いてしっかりと乾かします。タオルで取りきれない水分は、ドライヤーを使いましょう。最後は、ブラッシングで毛並みを整えます。
ワンちゃんは、耳の先、足の先、しっぽなどが特に冷えやすいので、触ってみて温度を確認し、冷え切っている場合は、人肌程度に温めたホットタオルやカイロなどを使ったりマッサージをしたりして、温めてあげましょう。
雪や霜がない場合は靴を履かせずに散歩をするでしょうから、その場合は肉球の状態も良くチェックしてあげましょう。冬は寒さと乾燥でひび割れが気になることがありますので、その場合は保湿クリームを塗るなどの対処をしてあげてください。
安全関連の工夫ポイント
◯4.安全に歩くための装備
ワンちゃんを守るためには、まず飼い主様の安全を確保しましょう。雪や凍結などで路面が滑りやすい場合に散歩に行くのは避けた方が良いのですが、どうしてもその時間にワンちゃんと一緒に出かけなければならない場合は、滑り止めの効いた安全な靴を履いてください。
また冬は日が短くなるため、いつもの散歩時間でも暗くなってしまうことがあります。ライトを持参するだけではなく、ワンちゃんと飼い主様の双方で、それぞれに反射材の付いているジャケットや首輪などを装着すると、自動車や自転車による事故を避けられるでしょう。
◯5.リードは短くしっかり持つ
いざという時にワンちゃんをしっかりと守るためには、リードをしっかり握る必要があります。しかし冬は寒いために厚着をし、かつ手袋をはめているために、いつもよりリードが使いづらくなるかもしれません。そのため、伸縮するリードではなく、固定のリードを短めに持ち、しっかりと握ることを意識しましょう。
◯6.雪を食べさせない
地域にもよりますが、豪雪地域などは道路に融雪剤が散布されていることが多いです。ワンちゃんが融雪剤を口にしてしまうと、中毒症状を引き起こしますので、「雪は水だから安全」だなどと思わずに、雪を口に入れないように注意してください。また雪の下には、何が隠れているかわかりません。異物誤飲の事故を防ぐためにも、犬が雪の中に顔を入れないように注意しておきましょう。
その他の工夫ポイント
◯7.悪天候の日は室内で運動やゲームを!
ワンちゃんにとって散歩はとても大切なものですが、悪天候の日や体調があまり良くなさそうな日にまで散歩に行く必要はありません。
どうしても散歩に行けない、または短時間で切り上げてしまったという日は、室内でできる軽い運動や知恵を使うようなゲームで、ワンちゃんに散歩に変わる刺激を与えてあげましょう。
身近にあるタオルや家具、おもちゃなどを利用した軽い運動や、ニオイを嗅がせておやつを見つけさせる宝探しゲーム、「オスワリ」や「フセ」「オテ」などのトレーニングなど、いろいろなことでワンちゃんと楽しくて有意義な時間を過ごしてあげてください。
ポイント
・散歩は犬にとって運動だけではないたくさんの効能をもたらします
・寒いという理由だけで散歩をやめないでください
・冬でも安全にワンちゃんとの散歩を楽しむポイントは下記の7つです
≫ワンちゃんの防寒対策
≫散歩に適した時間帯
≫帰宅後のお手入れ
≫安全に歩くための装備
≫リードは短くしっかり持つ
≫雪を食べさせない
≫悪天候の日は室内で運動やゲームをして過ごす
カテゴリー