犬猫の避妊・去勢はこんな手術

犬猫の病気や症状

 

 

こんにちは、横須賀市にある「つだ動物病院」院長の津田航です。

 

前回に引き続き、犬のオスとメスで避妊・去勢手術がどれくらい違うのか説明します。

オスの去勢手術は5分で終わる簡単なものですが、メスの避妊手術は場合によって子宮と卵巣を摘出するため、少なくとも15~20分くらいかかります。
その分、出血しやすくなりますから、負担をかけないよう慎重に手術しなくてはなりません。
当院では避妊・去勢手術をしたワンちゃんとネコちゃんを1泊入院していただき安静に過ごしてもらっています。
日帰りの場合、飼い主様に会った途端はしゃぐ、もしくは手術直後に歩くことで術部に負担をかける可能性があると考えるからです。

 

次に猫の避妊・去勢手術について説明します。
猫の場合、去勢手術をする一番の目的は外に興味を示さないようにするためです。

猫は発情期になると犬よりも外に行きたがる傾向があります。
猫が外に行くと、交通事故・野良猫から伝染症を移される・喧嘩して怪我をするなどの危険性が高くなります。
大切な飼い猫を長生きさせるには外に出さない方が無難です。

一説によると、室内で飼育する猫の平均寿命は約15年なのに対して、野良猫の平均寿命はわずか5年程度だと言われています。
環境が猫の寿命に大きく影響しているわけですね。
「ずっと室内で飼っていると猫が狭く感じるのでは?」と思う飼い主さんがいらっしゃるかも知れませんが、一軒家くらいの広さがあれば、一生猫が暮らしても問題ないです。

 

以前、僕が飼っていた猫は避妊手術をした後、ベランダに出られるドアを開けていても外に行こうとはしませんでした。
一歩ベランダの外に出てみては、「やばい!外に出ちゃった」という顔をしていました。

ちなみにメス猫はメス犬に比べて乳がんや子宮蓄膿症にかかるケースが少ないです。
ただし、猫が乳がんを発病するとほとんどが悪性腫瘍ですから、早い段階で避妊手術をしておくに越したことはありません。

 

犬猫の避妊・去勢手術についてまとめると、当院では以下の方針をとっています。
オス犬:マーキングなど去勢手術をする目的があるか確認する
メス犬:子犬を産ませる予定があるか確認してから避妊手術をする
猫:生後6カ月以降で体調に問題がなければ避妊・去勢手術をする

 

多くの飼い主さんはワクチン接種が終わってから、あまり何も考えずに避妊・去勢手術をして欲しいと動物病院にワンちゃんやネコちゃんを連れてくるのですが、犬猫の違いや性別によって獣医師の対処が違うことをご理解いただけたのではないでしょうか。

さて、ワンちゃんとネコちゃん共通で避妊・去勢手術の前後に注意する点をお知らせします。
一般的には犬猫の避妊・去勢手術をする場合、血液検査と凝固系検査(血が止まるかどうか)を実施します。
昔は検査しないで手術をして欲しいと要望する飼い主さんがいらっしゃいましたが、万が一、何かあってはいけないので必ず行っています。

 

当院では併せてレントゲン検査をおすすめしています。
実は先日も、猫の避妊手術を行ったのですが、手術中も呼吸が落ち着かなく、術後にレントゲンを撮ってみたら、横隔膜ヘルニア(横隔膜が破れ、胸部に内臓が入り込み肺を圧迫する病気)が見つかりました。

このようにレントゲンは4枚8,000円かかりますが、避妊手術は体に負担もかかるので、万が一他の箇所などに問題がないかの確認として大切であると考えています。
また、正常な状態であっても、正常な画像を残しておくと今後の比較対象となり、非常に役立ちます。

 

飼い主様に健康な状態でレントゲン撮影をする意義をなかなか理解していただけなくても、私たちは5~10年後に大切なワンちゃんやネコちゃんが体調不良を起こしたときの
ことを考えています。

 

血液検査だけでは分からない病気がたくさんありますから、多少コストがかかっても、レントゲン検査をしておくと安心です。
自分の飼っている動物ならレントゲンを撮っておきます。

 

最後に補助金についてお知らせします。
当院のある横須賀市では猫の避妊・去勢手術で補助金が出ます。
5~6年くらい前まで犬の避妊・去勢手術にも補助金が出ましたが、今は猫だけです。

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