家族みんなで楽しくクリスマスを過ごそう
愛犬愛猫と過ごすXmas
こんにちは、横須賀市にある「つだ動物病院」院長の津田航です。
今年もあっという間に12月になってしまいました。ワンちゃんや猫ちゃんをご家族に持つ飼い主様の中には、いろいろなイベントを彼らとともに過ごし、彼らとともに特別な思い出を作りたいと願っている方も多いようです。特に保護犬や保護猫の里親さんの中には、お誕生日がわからないからこそ、せめてクリスマスを特別な日にしたいと考える方もおられるようです。
ワンちゃんや猫ちゃんと一緒にクリスマスをどう過ごすのかは、ご家庭によってさまざまです。ご家族だけでホームパーティーを楽しむ、ワンちゃんと一緒にちょっと贅沢な旅行を楽しむ、ドッグカフェやペットサロンが主催するパーティーに参加するなどが多いでしょうか。
そんな中で、やはりご家庭でご家族揃ってのホームパーティーを計画されている方も多いのではないでしょうか。今回は、ワンちゃんや猫ちゃんと一緒にご家族で楽しくクリスマスを過ごすために特に注意したいこと、そして一緒に楽しむためのちょっとしたアイディアなどをご紹介したいと思います。
楽しく過ごすための注意点
◯誤飲事故に気を付けましょう
クリスマスには、ツリーやリースで飾り付けをしたり、プレゼント交換をしたり、ケーキやローストチキンを食べたりといったことを習慣にされているご家庭も多いと思います。この時に最も多いのが、誤飲事故です。
まず気を付けたいのが、ツリーやリースの飾りです。小さくてキラキラしている飾りは、ワンちゃんや猫ちゃんの目にはとても魅力的に映ります。落ちた飾りを口に入れないよう、十分な対策が必要です。特に猫ちゃんは、ツリーのてっぺんや壁に飾られたリースなどに飛びついて、ツリーを倒したりリースを落としたりすることがあるので、注意が必要です。
◯ポインセチアに触らせないで!
クリスマスといえば、緑の葉と真っ赤な花が鮮やかな、ポインセチアが有名です。ツリーがなくてもポインセチアの鉢植えを飾れば、それだけでクリスマスの雰囲気が盛り上がります。
ただし、ポインセチアの葉や樹液には、ワンちゃんや猫ちゃんにとって有毒な成分が含まれているので注意が必要です。積極的に口にすることはないかもしれませんが、万が一口にしてしまうと中毒症状を起こしてしまうことがありますので、ワンちゃんや猫ちゃんが触らないように気を付けましょう。できれば、一緒に過ごす場所には飾らない方が良いでしょう。
◯大勢で集まる時の注意事項
折角のクリスマスなので、ご友人も招いて一緒にホームパーティーを楽しみたいという飼い主様もいらっしゃるでしょう。その時に注意していただきたいのは、ご友人がワンちゃんや猫ちゃんに人間用の食事を与えないようにすることです。
ご友人には悪気がなく、むしろワンちゃんや猫ちゃんのためにと思っての行動でしょう。しかし人間用に調理した食事には、ワンちゃんや猫ちゃんの中毒症状を引き出してしまう食材が使われていたり、味付けが濃すぎて消化器に負担をかけてしまったりするものが多いです。予め「欲しがっても決してあげないで!」とお願いしておき、パーティーの最中も気にかけておきましょう。
たとえご家族だけでのホームパーティーだったとしても、アルコールが入ってしまうと気が緩んでしまうこともありますので、飼い主様やそのご家族も充分に注意してください。
ご馳走を用意する時の注意点
クリスマスディナーはローストチキンを食べるというご家庭も多いのではないでしょうか。クリスマス時期になると、精肉店やスーパーの精肉コーナーなどに、きれいにラッピングされた骨付きのローストチキンがたくさん並びます。ここで気を付けていただきたいのは、鶏の骨です。
インターネットで調べていただくと、「鶏の骨は縦に裂けやすく、また裂けた先がとても鋭いので、決して犬や猫に骨付きの鶏肉を与えないこと」と書かれていたり、「鶏の骨は消化されるので、犬や猫に食べさせても問題ない」と書かれていたりと、獣医師の間でさえも、意見が分かれるところです。
結論としては、骨付き鶏肉の調理方法や食べるワンちゃん猫ちゃんの年齢、健康状態などにより左右されるというのが現実です。ですから、「消化されるので大丈夫だと書かれていた」などと安心せず、リスクがあることを念頭に置いておきましょう。ご家族が召し上がって残った鶏の骨も、すぐに片付けてワンちゃんや猫ちゃんの口に入らないように注意されることをおすすめします。
また、普段はドッグフードやキャットフードを利用しているものの、クリスマス位は手作りのごちそうを食べさせたいと考えられる飼い主様は、使用する材料によく注意してください。私たち人間には馴染みの食材でも、ワンちゃんや猫ちゃんが口にすると中毒症状を引き起こしてしまうものはたくさんあります。また犬と猫でも、向き不向きな食材は異なります。もしご心配であれば、かかりつけの動物病院に予めご相談されたうえで、メニューを検討されると良いでしょう。
楽しく過ごすアイディア
ここからは、ワンちゃんや猫ちゃんと一緒に楽しくクリスマスを過ごすためのちょっとしたアイディアや考え方をご紹介したいと思います。
大晦日やお正月のような慌ただしくなりがちなイベントとは異なり、クリスマスは日常生活の延長としてちょっと特別感を感じられる日なので、お金や手間を掛けずに、ワンちゃんや猫ちゃんと一緒に気軽に楽しく過ごすことを優先するのも良いと思います。
◯プレゼント編
普段のワンちゃんや猫ちゃんをよく観察されている飼い主様だからこそ、心から喜んでもらえるプレゼントが用意できるはずです。贅沢品や見かけのかわいさに惑わされずに、本当にワンちゃんや猫ちゃんの生活にプラスになる品という観点で選んでみてください。
例えばワンちゃんのお散歩用にお腹をしっかりと温められる防寒着を新調する、猫じゃらしに飽きてきた猫ちゃんにはボールを追いかける遊びを教えてあげる、切れ味が落ちてきたと感じている爪切りを新調するなんていうのも、良いかもしれません。
◯ご馳走編
ワンちゃんや猫ちゃん用のケーキやご馳走を調達するのも良いですが、お金をかけなくても、充分に特別なクリスマスディナーにすることができます。例えば、いつものお食事にちょっとしたトッピングを加えてあげるだけでも良いのです。
手作り食に挑戦したいと考えておられる飼い主様であれば、この機会にワンちゃんや猫ちゃんに食べさせても大丈夫な食材を使い、トッピング用の一品を作ってみるところから始めるのも良いのではないでしょうか。
◯一緒に過ごすことが一番のご褒美編
ワンちゃんや猫ちゃんにとっては、飼い主様と一緒に穏やかに過ごせることが何よりも嬉しいことだと思います。派手な演出や豪華なプレゼント、ご馳走よりも、一緒に楽しく過ごせる時間を作ることが、ワンちゃんや猫ちゃんへの1年間の一番のご褒美になると思います。
特に今年のクリスマスイブは、日曜日です。ワンちゃんや猫ちゃんのために、1日ゆっくりと寛いで過ごせる時間を作ってあげるのが、何よりのプレゼントになるのではないでしょうか。
ポイント
ポイント
・ツリーやリースの飾りをいたずらしたり誤飲したりさせないように注意しましょう。
・ポインセチアには犬や猫に有毒な成分が含まれています。
・人間の食材を食べさせないように、お客様にも気を付けるよう頼みましょう。
・プレゼントは愛犬や愛猫が喜んでくれるものを選びましょう。
・愛犬や愛猫と一緒に過ごす時間を作り出すことが、最高のプレゼントになるでしょう。