犬と海や川で遊ぶならワクチンは8種がおすすめです。
犬のワクチン
こんにちは、横須賀市にある「つだ動物病院」院長の津田航です。
今回は犬のワクチンについてお知らせします。
犬のワクチンは生後2カ月と3カ月に各1回打ってから、年1回追加接種をします。
生後2カ月より前に1回目のワクチン接種をしてもあまり効果がありません。
お母さん犬のミルクからもらった免疫が残っているため、ワクチンの効き目が十分に発揮されないからです。
当院の犬のワクチン方針
当院ではワンちゃんが生後2カ月より前にワクチン接種を済ませた飼い主様に、「あと2回接種してください」とお話しています。
犬のワクチンは大きく分けて6種混合ワクチンと8種混合ワクチンがあります。
6種類:ジステンパー、パルボウイルス、コロナウイルス、肝炎、アデノウイルス、インフルエンザ
8種類:上記6種類+レプトスピラ症2種類
ところで、犬はどこからウイルスに感染するのかご存知でしょうか。
6種類のうちインフルエンザだけ呼吸器、残り5種類は糞や尿から感染します。
ワンちゃんは散歩中、他の動物が残したうんちやおしっこの臭いを嗅いだり、舐めたりしてウイルスに感染します。
「年に1回、ワクチン接種をしてください」と飼い主様にお勧めしております。
当たり前ですが人間は病気にかかっている人のうんちやおしっこの臭いを嗅がないので、毎年ワクチン接種をしなくても大丈夫ですが、犬の場合、散歩中にどうしても排泄物の臭いを嗅いだり舐めたりしてしまうからです。
8種混合ワクチンをおすすめする理由
8種混合ワクチンに含まれるレプトスピラ症はネズミなどの保菌動物の尿から感染します。
ネズミは山、海、川に数多く生息しています。ワンちゃんをアウトドアに連れていく機会があるなら、8種混合ワクチンを接種しておいた方が良いです。
また、レプトスピラ症は犬から人間に感染します。
動物病院でレプトスピラ症に感染した犬を診断した場合、保健所に届け出をしなくてはならないほど要注意の病気です。
当院のある三浦半島にはネズミの一種として知られる台湾リスが多く生息しています。
犬がレプトスピラ症にかかるケースは滅多にないですが、横須賀地区では過去に感染例があるため、8種混合ワクチンを接種したおいた方が良いかも知れません。
ワクチンの種類はワンちゃんとのライフスタイルで決めましょう
ワクチンの種類はワンちゃんと飼い主様がどんなライフスタイルをしていて、どこに行くのか考慮して決めることが一番大切です。
ほとんど室内で飼っていて、近所の舗装している道路を散歩する程度でしたら、6種類で大丈夫です。
一方、色んなところに連れて行く場合は8種類をおすすめします。
また、飼い主様の中には、「ワクチン接種は3年に1回程度で大丈夫では?」と考える方もいらっしゃいます。
犬にコアワクチン(ジステンパー、パルボウイルス、アデノウイルス)の抗体を持っているか毎年チェックして、クリアしていればワクチンを打たないことを推奨する獣医師がいるからです。
ワクチン接種頻度に対する当院の考え方
しかし、当院では抗体検査について現時点では、肯定も否定もしていません。
抗体があるか無いか調べるにはワクチン接種と同じか、それ以上の費用がかかりますから、毎年、追加接種をしてはいかがでしょうか。
ワクチンを打たなかったことが原因で病気にかかった犬はたくさん診察したことがありますが、年1回ワクチンを打っていてどうにかなった犬は見たことがありません。
犬がワクチン接種で不調になるのは、体調不良のときに摂取したり、何か隠れた病気があって体力が落ちているなどの時に見られます。
但し、ワクチンを接種すると病気に対する抗体を作るわけですから、1日程度だるくなるのは想定の範囲内です。
自分の家で犬を飼っているとしたら、年1回、8種混合ワクチンを打ちます。
シニア犬に対するワクチン接種の考え方は獣医師によって違いますが、当院では高齢だからこそ推奨しています。
数年前に人間のインフルエンザが大流行してワクチン不足になったとき、お年寄りと乳幼児から優先的に打つよう指示が出ていました。
人間と同じように免疫力が低下した高齢犬もウイルス感染しやすくなりますから、成犬よりむしろシニア犬にワクチンの接種が必要です。
猫のワクチン接種について
最後に猫のワクチン接種についてお知らせします。
猫は室内飼いなのか外に行くのかで3種類と5種類から選びます。
外に出かける猫は5種類+エイズのワクチン接種をしておいてはいかがでしょうか。
ただし、エイズのワクチンを打つと抗体検査をしたとき陽性になります。
万が一、大切なネコちゃんが逃げて他の誰かに飼われるとしたら、血液検査でエイズの陽性反応が出ると、エイズに感染しているのかワクチンなのか分かりませんから、マイクロチップを入れておくと安心です。