犬の健康診断

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こんにちは、横須賀市にある「つだ動物病院」院長の津田航です。

 

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
年明け最初のブログでは、愛犬の健康を管理するために欠かせない、犬の健康診断についてお伝えしたいと思います。

 

 

人がある程度の年齢になると年に1度の人間ドックで全身の健康状態をチェックするように、犬も年に1度の健康診断を受けることが推奨されています。
一般的に言われている健康診断の目的は、病気の早期発見です。
しかし、犬の健康診断の目的はそれだけではありません。

 

私は、犬の健康診断の目的は、下記の3点だと考えています。

 

1. 病気の早期発見
もちろん、病気の早期発見が健康診断の大きな目的の1つであることは確かです。
犬は、体調不良でも自ら語ることはできません。
そのため、飼い主様が愛犬の様子におかしいと気付いた時は、既に病気が大分進行してしまっているということも少なくありません。
場合によっては、手遅れということもあるのです。
ですから、どんなに愛犬が健康そうに見えていても、定期的に健康診断を行うことには大きな意味があります。

 

2. 生活改善
健康診断は、病気を見つけることだけが目的ではありません。愛犬の健康状態を細かく確認し、現状をしっかりと把握することも目的の1つなのです。
現状を知ることで、生活環境や生活習慣を見直すきっかけにし、より健康的な暮らしを送れるようにすることも、健康診断の大切な目的の1つです。
たとえば、太り過ぎや痩せ過ぎ、歯周病の兆候などに気づくことで、運動や食餌内容、日々のケアなどを、飼い主様が見直すきっかけにして頂きたいと考えています。
そして私たち動物病院は、そのためのお手伝いを精一杯させて頂きますので、お気軽になんでもご相談なさってください。

 

3. 健康時の状態を把握しておく
健康診断のもう1つの目的は、愛犬が健康な時の状態を数値や画像で把握しておくということです。
健康時の状態が分かっていると、より正確な診断を行うことができます。
1度だけの検査では、結果が基準値の範囲内に収まっていると安心してしまいますが、健康時の数値と比較することで、その犬にとってはどうなのかという観点で診断できるようになるからです。
そして、定期的な確認により健康状態の微妙な変化も察知でき、病気の症状が発現する前の段階で、たとえば食餌内容を療法食に変更する等の方法により、予防措置を取れる場合もあるのです。

 

 

犬の健康診断と言っても、さまざまな検査項目がありますが、毎年すべての検査項目を受ける必要はないでしょう。
健康診断は、愛犬のその時の状態によって検査項目をアレンジすることで、その時に必要な最小限の検査項目に絞ることができます。

 

一般的な検査項目は、下記になります。

 

1. 問診および触診
飼い主様から愛犬の健康状態について伺い、愛犬の外貌を視認および触診でチェックします。

 

2. 血液学検査
赤血球、白血球、血小板の数や形態を確認し、貧血や感染の有無をチェックします。

 

3. 血液生化学検査
肝臓、腎臓などの各臓器の働き具合を確認することで、肝臓病、腎臓病、糖尿病の診断を行います。

 

4. X線検査
臓器の位置、大きさ、数を確認することで、心拡大や胸水、腎結石、膀胱結石などの有無をチェックします。

 

5. 尿検査
尿の比重(濃度)、血尿、細菌尿などを確認し、泌尿器系疾患や糖尿病の診断を行います。

 

6. 便検査
便の状態を確認し、内部寄生虫や細菌バランス、消化状態などを診断します。

 

上記の検査で異常がみつかった場合は、それぞれの状態により、下記のようなより詳細な検査を行います。

 

1. 超音波検査
臓器の内部構造や大きさを確認し、心臓の弁障害や心筋症、リンパ節の腫大などを診断します。

 

2. 内視鏡検査
先端に小型のレンズをつけた管を体の中に差し入れて、胃や腸の病変を直接見ることで炎症や出血の有無を確認します。
腫瘍などを見つけた場合は、その組織の一部を採取して組織検査に回すこともできます。
ただし、この検査には全身麻酔が必要です。

 

3. CT検査
X線検査や超音波検査では判断しにくかった部分を、立体的に見ることでより正確な原因追求を行うことができます。
この検査は、全身麻酔下で行うことが多いですが、症例によっては無麻酔で撮影することもあります。

 

また高齢犬の場合は、最初から超音波検査も受けておくと、安心でしょう。

 

なお、検査項目によっては絶食が必要な場合がありますので、健康診断は事前にご予約の上ご利用されるのがお勧めです。

 

 

前述の通り、健康診断は個々の犬の状態によって検査項目をアレンジすることが望ましいので、一概に費用がいくらと断定することはできません。
また、病院によっても費用が異なります。

 

健康診断の検査項目をご相談頂く時に、費用についても事前にお知らせできますので、遠慮なくご質問頂きたいと思います。
もちろん、ご要望とご予算に合わせて、最適な検査項目をご提案致します。

 

また、ペット保険によって健康診断が保証の対象外となっているところも多いようです。
病気が見つかった場合は、その診療費用および健診費も含めて保証の対象となる会社もあるようですが、事前によく契約内容をご確認頂くと安心して受診して頂けます。

 

 

中には「健康診断で過剰な検査を行い、高い費用を請求したり、病気を無理やり探し出して治療を勧められる」と誤解されている飼い主様もいらっしゃるようです。
しかし、動物病院は決して過剰な検査をお勧めしたり、無理やり病気を探し出そうとすることはございません。

 

また、高齢犬になると半年に1回の健康診断を勧められるが、そんなに頻繁に受ける必要があるのかと疑問に思われている飼い主様もいらっしゃるようです。
しかし、小型犬は1年で4歳、中型犬は1年で5歳、大型犬は1年で7歳分の歳を取るということをお考え頂ければ、半年に1回が決して多すぎないということをご理解頂けるのではないかと思います。

 

ただし、健康診断は万能ではありません。
健康診断で、全身の状態を漏れなく確認することはできませんし、異常がなかったからと言って発病しないという訳でもありません。
健康診断を受けたので大丈夫だと過信してしまわずに、愛犬の側にいらっしゃる飼い主様が日々愛犬の様子を観察し、おかしいなと感じた時には気軽に動物病院にご相談頂きたいと思います。

 

また、健康診断で「太り気味」「運動不足」「歯石が沈着している」などの指摘を受けた場合は、それを機会に愛犬の生活環境や生活習慣を見直して頂ければと思います。
定期的な健康診断を上手に利用して、愛犬の健康管理を行いましょう。

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