犬猫の避妊・去勢手術の概要と費用について

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こんにちは、横須賀市にある「つだ動物病院」院長の津田航です。

 

犬と猫では発情のサイクルに違いがありますが、春は共に発情を迎える時期です。

そこで今回は、再び犬や猫の避妊・去勢手術についてのお話をしたいと思います。

 

 

以前もブログでお伝えしましたが、つだ動物病院における犬猫の避妊・去勢手術の方針について改めて整理すると下記のようになります。

 

〈つだ動物病院における避妊・去勢手術の方針〉

1.オス犬

飼い主様に去勢手術をする明確な目的がない場合、去勢手術は必ずしなければならないものではありません。

発情時のマーキングや攻撃的な行動などに問題を感じていらっしゃる場合はおすすめします。

実施する場合も、早期の実施ではなく、10〜12ヶ月齢での手術をおすすめしています。

 

2.メス犬

子犬を産ませる予定の有無を確認し、ない場合は避妊手術を実施します。

避妊手術の目的は乳がんおよび子宮蓄膿症の予防です。

そのため、6ヶ月齢以降で初回の発情出血前での実施をおすすめしています。

手術予定時期に発情出血が重なってしまった場合は、2回目の発情出血前までの実施をおすすめしています。

 

3.猫

オス、メス共に、生後6ヶ月齢以降で、体調に問題がない場合は避妊・去勢手術を行います。

猫の場合、目的は発情による外への興味をなくさせることです。

またメスの場合は、犬と同様に乳がんおよび子宮蓄膿症の予防も目的の一つです。

猫の場合、これらの病気は犬と比較すると発病率が低いのが実情です。

しかし、猫の乳がんはそのほとんどが悪性腫瘍であるため、やはり早期、できれば初回発情前に避妊手術を行うべきだと考えています。

 

4.術前および術後の方針

つだ動物病院では、術前には血液検査と凝固系検査を実施します。

避妊・去勢手術は難しい手術ではありませんが、全身麻酔を行い、睾丸や卵巣、子宮の摘出を行いますので、安全に手術を行い、かつ飼い主様にも安心して頂くためにも必要な検査です。

さらに安全を確保するため、かつ手術を受ける犬や猫の生涯の健康管理のためにも、併せてレントゲン検査(4枚で8,000円)を撮ることもおすすめしています。

また日帰り手術だと飼い主様に会った喜びではしゃいでしまう等により術部に負担がかかるリスクを考え、術後は犬猫や雌雄に関わらず、一泊入院をして頂いています。

 

なお、避妊・去勢手術や予防できる病気の詳細については、以前書かせて頂いた下記のブログをお読み頂ければと思います。

「犬猫の避妊・去勢手術 メリットデメリットについて」

「犬猫の避妊・去勢はこんな手術」

「避妊手術を早めに行えば、乳腺腫瘍発症の確率は軽減」

「メスの犬は注意したい、子宮蓄膿症」

 

 

ここで少し、犬と猫の発情についてお話ししましょう。

犬の場合も猫の場合も、自発的に発情するのはメスです。

オスは、発情したメスに刺激されることで発情が引き起こされるのです。

 

では、メスが発情すると、一般的にどのような症状が見られるのでしょうか。

 

〈犬の場合〉

犬の場合、初回の発情は生後7〜8ヶ月齢でやってきて、1年に2回発情するようになります。(一般的には春と秋が多いです)

発情したメスは、外陰部がピンク色になってふっくらと大きくなり、出血します。

1回の発情期間は平均して2〜3週間です。

 

〈猫の場合〉

猫の場合、初回の発情は生後6〜9ヶ月齢でやってきて、年に数回発情するようになります。

猫の発情は犬のように年約2回と決まっている訳ではなく、日照時間によりコントロールされています。

ある研究では、寒い冬、初春、晩夏に発情する猫が増えるという報告もあります。

発情したメスは、外陰部がピンク色になってふっくらしますが、犬の場合と比べるとあまり目立ちませんし、出血もしません。

大きく変化するのは鳴き方と行動です。

いつもとは全く異なる、大きくて狂ったような声でよく鳴き、腰を低くして足踏みのような行動をしたり、身体をクネクネとさせながら頭や背中などを、床などに擦り付けるような行動をしたりします。

猫の場合、1回7〜10日間の発情後しばらくお休みしてまた発情が来るということを、1〜2ヶ月程度の期間中に数回繰り返します。

 

このようなメスの発情に誘引され、オスも発情し、家中のあちらこちらに尿でマーキングを行ったり、攻撃的になったりします。

マーキングの場合は、尿も普段より強烈なにおいがするため、掃除をしてもにおいがなかなか取れないなど、飼い主様のストレスになることが多いです。

 

オス犬・猫のマーキングやメス猫の大声で鳴き続ける行為は、飼い主様のストレスになるだけではなく、ご近所の方にとってもストレスになることが多いです。

避妊・去勢手術は、これらの行動を抑制し、かつメスにとっては命に関わる病気の予防にもなるという訳です。

 

 

ではここで、つだ動物病院における避妊・去勢手術の費用についてお話しします。

オスの場合は睾丸を摘出するのですが、術野も小さく短時間で終わるため、メスの場合よりも費用が安くなります。

メスの場合は卵巣と子宮を摘出するため、術野も大きくなり時間もオスの場合よりも長くなるのです。

 

また、犬は猫と違って品種により体の大きさがかなり異なりますので、手術の費用も体重によって設定させて頂いております。

 

つだ動物病院の避妊・去勢手術費用の一覧表は、下記の通りです。

なお横須賀市には、猫の避妊・去勢手術に対する補助金制度があります。

この制度は、横須賀市内で飼われている猫の飼い主様に対して適用されます。

この制度の良いところは、飼い主様がわざわざ事前に動物愛護センターに出向く必要なく、避妊・去勢手術を受ける前に動物病院でこの制度を適用したいと申し出ることで、動物病院が補助金を立て替えるというしくみになっているところです。

 

補助金額は、オスの場合2,100円/頭、メスの場合3,400円/頭です。

横須賀市内の動物病院、もしくは横須賀三浦獣医師会に加入している動物病院であればこの制度で補助を受けられます。

もちろん当院、つだ動物病院でも受けられますので、手術の予約をする際に、遠慮なくお申し付けください。

 

 

避妊・去勢手術を受けた後は、犬猫や雌雄に関わらず、気をつけて頂きたい事があります。

それは、適正な体重のコントロールです。

 

犬や猫、そして年齢ステージに合った、栄養バランスのとれた食事を与えて頂きたいのは、術前術後に関わらず同じです。

しかし、術後の場合は、その後の生涯に渡って下記の点を注意してください。

『避妊・去勢手術をした犬や猫は、手術をしていない犬や猫が必要とするカロリーよりも30%低いカロリーにとどめること』

 

避妊・去勢手術により、睾丸や卵巣などが摘出されますので、ホルモンバランスが崩れます。

また、発情が来なくなることで、行動も穏やかになり運動量が少なくなります。

これらの関係で、必要とするカロリーが少なくなってしまうのです。

 

しかし問題は、避妊・去勢した犬や猫は、食欲がそれまでよりも増えることです。

一般的には、食欲が約20%増加すると言われています。

そのため、犬や猫が食べたがる分だけ食事を与えてしまうと、大変なことになってしまいます。

肥満は、人だけではなく、犬や猫の健康にも悪い影響しか与えません。

 

避妊・去勢手術の目的を明確に意識した上で手術を行い、術後の栄養管理をしっかり行うことで、飼い主様と愛犬、愛猫が共に快適に暮らせるようにしましょう。

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