大型犬に多い足の病気「股関節形成不全」

犬猫の病気や症状

 

5〜12ヶ月齢に発症しやすい股関節形成不全

こんにちは、横須賀市にある「つだ動物病院」院長の津田航です。

 

今回は、5〜12ヶ月齢に発症しやすい「股関節形成不全」についてお伝えします。

股関節形成不全は、2次性変形性関節症を引き起こし、様々な程度の疼痛や関節の動きの制限、跛行を呈する疾患です。

 

 

好発犬種

この疾患は遺伝子性疾患であり、環境要因にも影響を受けることから多因子性疾患と言われますが、原因は明らかになっていません。

股関節の形態の異常で、歩き方に異変がみられる場合から、ほとんど症状がない場合もあります。

 

 

大型犬に多発し特に、ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー、ジャーマン・シェパード、バーニーズ・マウンテンドッグ、ニューファンドランド等の成長期により多くの発生がみられます。

 

骨の形成が完成する前にレントゲン検査を受けておきましょう

 

ワンちゃんの股関節が弱くなって変形し、関節炎を起こすようになると痛みを伴うようになり、やがて歩けなくなってしまいます。この病気は股関節の正常な発育が妨げられる事によって起こります。

 

 

股関節形成不全の症状はゆっくりと進行するので分かりにくい事が多く、やがて重度の関節炎にまで進行する可能性があります。

 

症状がみられなくても、股関節形成不全がある可能性が高いため、飼主は愛犬の股関節の状態を知っておく必要があります。このため、骨の形成が完成する1歳から2歳の間にレントゲン検査を受けることが薦められます。また、股関節形成不全がどのような症状を示すのか知っておく必要があります。

 

股関節形成不全の症状と治療

 

 

「後肢の跛行」「よろめき、ふらつき」「立ったり、座ったりするのが辛そう」「走ったりジャンプしたりできない」「不自然な歩き方」もし、このような症状が見られれば、ご相談ください。

 

 

 

ワンちゃんの治療法は年齢や病状により治療方法が決定されます。

体重の減量、運動を制限、消炎鎮痛剤の投与をすることによって、股関節周辺の炎症や痛みを軽減することが出来るでしょう。しかし改善がみられない場合、外科的な「方法も考慮しなければなりません。幼齢期に過剰な栄養を与えたりすることは、股関節形成不全を発症させる原因といわれておりますので、注意が必要です。

 

進行を防ぐためには体重管理が大切

 

 

また、股関節形成不全があるワンちゃんの場合は、症状の進行を防ぐために体重管理が大切です。肥満にならないように、日頃からのこまめな体重管理を心がけましょう。ワンちゃんに股関節形成不全が疑われるような症状が見られた場合は、お早めにご相談ください。

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