ドッグラン活用のすすめと注意事項

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ドッグランで健康維持

太り気味の犬

 

こんにちは、横須賀市にある「つだ動物病院」院長の津田航です。

 

ワンちゃんはとても賢い動物です。本来、犬は狩を行い、頭も体も十分に使いながら生活をしていました。そのため、人と一緒に暮らすようになった現代のワンちゃんたちも、心身の健康を維持するためには、それなりの運動や刺激が必要です。

 

しかし、忙しい飼い主様の生活に合わせているうちに、もしかしたら運動量や刺激が少なすぎて、運動不足や退屈といったストレスを抱えているかもしれません。運動不足や退屈という言葉を聞いても、人間が抱えるストレスと比べるとあまり大きなストレスには感じないかもしれません。それでも、ワンちゃんたちの生活の中では、運動不足や退屈というのは、とても大きなストレスなのだということを理解してあげましょう。

 

また、肥満はさまざまな病気を誘引します。加齢により筋力が衰えた犬にとって、重すぎる体重は関節炎などの原因になることもあり、愛犬を適正体重、適正体型に維持させることは、愛犬の老後を寝たきりにさせないためにも大切なことなのです。

 

さらに退屈が引き金となり、ワンちゃんが自傷行為や破壊行為などの問題行動を引き起こすリスクも高まります。

 

今回は、そんなワンちゃんたちに楽しくのびのびと運動し、ストレスを発散させてあげられるドッグランの活用法と、それに伴う注意点についてお話したいと思います。

 

ドッグランの上手な活用法

犬の社会性

 

冒頭で、ドッグランではワンちゃんに思いっきり運動をさせることができ、ストレスも発散させられるため、心身共に健康の維持に役立つとお話しました。ドッグランにもいろいろありますが、多くのドッグランでは、リードを着けずにワンちゃんが広い場所を自由に走り回れるからです。毎日のお散歩に加え、飼い主様の生活に無理のない範囲で定期的にドッグランを利用されると、良いと思います。

 

実は、それ以外の目的でドッグランを利用することもできます。それは、普段接しているご家族以外の人や犬たちと触れ合うことで、社会性を学べるということです。

 

ご家族と一緒にいる時はとてもおとなしくて飼い主様の言うこともよく聞く子だと思っていたのに、ドッグランに行ったらいつもと違う雰囲気や知らない人や犬がたくさんいて怖くなり、場合によってはパニックを起こしてしまう子もいます。知らない犬にしつこく追い回されて、反撃し、それがけんかにつながってしまうような場合もあります。

 

そういった、普段は体験しないようなことを体験し、極端に怖がったり攻撃的になったりした時に、飼い主様がすぐにワンちゃんを落ち着かせ、安心させることで、ワンちゃんは少しずつ他の人や犬たちとの付き合い方を覚えていくのです。

 

こういった社会性の学びは、いつどこで必要になるか分かりません。お散歩の途中ですれ違った犬と喧嘩になるかもしれませんし、災害時に同伴避難をすることになるかもしれません。健康管理の面と合わせて、上手にドッグランを活用できると良いと思います。

 

またドッグランによっては、Aランプ、シーソー、ハードルなどのアジリティを設置しているところもありますので、チャレンジしてみるのも良いと思います。ワンちゃんと飼い主様の絆がより深まると思います。

 

ドッグランにもいろいろな形態やサービスがあります。その施設ごとにそれぞれの特徴がありますので、事前によく調べ、いくつかを体験して、飼い主様とワンちゃんに最も適したお気に入りのドッグランを見つけてください。

 

ドッグランでの注意事項

喧嘩をする犬

 

ほとんどのドッグランには、細かいルールが設けられています。例えば、狂犬病予防注射済票の提示が必要であるとか、発情中の犬は入場禁止、ドッグラン内での飲食は禁止等の禁止事項、排泄に関するルールなどです。必ずルールを守ることが大前提です。せっかくのドッグランを、安全に、そして楽しく過ごすためなので、必ず守りましょう。

 

ここでは、ルールに定められていないかもしれませんが、ぜひ注意していただきたい点についてお話します。せっかくのドッグランがワンちゃんにとってトラウマとなってしまい、嫌いな場所にしないためにも、頭の隅に入れておいていただければと思います。

 

1.入場する際はリードを着けておく

リードを外してしまうと、何かあった時にすぐに対処することができません。そのため、リードを着けて入場しましょう。しばらくはリードを着けたままにして、その場に慣らすようにします。ワンちゃんが落ち着いていて、他の犬ともうまく馴染めそうだと見極めてから、リードを外しましょう。

 

2.愛犬から目を離さないこと

リードを外してワンちゃんを自由にさせた後も、他の飼い主さんとの会話に夢中になってしまわずに、常に愛犬の様子を気にしてください。ワンちゃんが他の犬にしつこくちょっかいを出したり、またはその逆だったりすると、それがエスカレートして本気の喧嘩になることも多いからです。まだドッグランに慣れていない場合は、混雑する時間帯を避ける等の工夫をして、徐々に慣らしていくと良いでしょう。

 

3.おもちゃ

おもちゃの使用を禁止しているドッグランもありますが、持ち込んだおもちゃで遊べるドッグランもあります。また、ドッグランでおもちゃを貸し出してくれる場合もあります。いずれにしろ、事前に確認しておくと良いでしょう。おもちゃOKの場合に気をつけたいのは、やはり他の犬とのコミュニケーションです。他の犬のおもちゃを横取りしてしまったり、逆に取られてしまったりということがあります。もし横取りしてしまった場合は、速やかに飼い主さんが取り上げて、きれいにしてから持ち主の飼い主さんに返すようにしましょう。ドッグランでは、飼い主さん同士のコミュニケーションも重要になります。

 

4.ポケットの中のお菓子類やタバコ等

ドッグラン内での飲食については、前述の通りルールに従うべきなのですが、特に注意していただきたいのは、飼い主様のポケットの中です。チョコレートやタバコなどを入れておくと、思わぬ事故に繋がることがあります。飲食のルールに関わらず、ポケットの中に犬にとって禁忌のものを入れておかないように注意しましょう。

 

5.写真撮影

ドッグラン内で撮影を行う場合、事前に許可をとっておきましょう。また、他のワンちゃんや飼い主様を撮影する場合も、事前に許可を取るようにしましょう。特にSNSで公開する場合はその旨も伝えた上で許可を取ることが必要です。

 

お庭や屋上の活用

ドッグランで走る犬たち

 

もしもご自宅のお庭や屋上、テラスなどにある程度の広さを確保できるのであれば、お家のワンちゃん専用の自家製ドッグランを作成することも可能です。

 

さすがに大型犬の場合は難しいと思いますが、小型犬であれば10m×10mほどの広さが確保できれば御の字です。気をつけていただきたいのは、ある程度の高さがある柵で囲うことです。思いっきり遊んでいる時の犬のジャンプ力は、侮れません。特にテラスや屋上などの高い場所に設置する際は、注意が必要です。柵の手前に踏み台になるようなものも置かないようにしましょう。

 

床材は、天然芝、人工芝の他、ウッドチップやバークチップ、タイル、ゴムチップなどがあります。それぞれに良い点、悪い点がありますので、ご自宅の環境やワンちゃんに適した床材を選んであげましょう。

 

ご自宅での自家製ドッグランの場合は、社会性を学ぶことはできません。しかし、運動不足にはとても役に立ちます。もし、屋根のついているテラスなどをミニ・ドッグランに改良できるのであれば、雨の日でも十分に運動をさせてあげられます。

 

ドッグランに関するまとめ

ダッシュする犬

 

ポイント

・ワンちゃんの心身の健康を維持するために、適度な運動と適度な刺激が大切です

・ドッグランで自由に運動することで、楽しみながら心身の健康を維持できます

・ドッグランで、ワンちゃんは社会性を学ぶこともできます

・ドッグランではさまざまな人や犬と触れ合うため、飼い主様は注意深く見守ってください

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