動物病院を上手に利用しましょう!

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早く治療を始める重要性

診察を受ける犬

 

こんにちは、横須賀市にある「つだ動物病院」院長の津田航です。

 

病院が好きな方はあまり多くはないでしょう。同じように、家族の一員であるワンちゃんや猫ちゃんを動物病院に連れて行くのが好きな飼い主様も、あまり多くないようです。なぜなら、ワンちゃんや猫ちゃん自身が、動物病院に行きたがらないからです。

 

病院に来ると、ワンちゃんや猫ちゃんは、緊張のあまり心臓の鼓動が早くなったり血圧が上がったりします。彼らは、なぜ病院に連れて来られて、一体何をされるのかを理解できないからです。だからといって、彼らを一生病院に連れて来なくてもよいというわけにはいかないでしょう。

 

健康管理の基本は、飼い主様によるご自宅での観察とチェックです。しかし自分の体の不調をなるべく隠そうとするため、はっきりと「異常」がわかるような段階では、既に病気がかなり進行してしまっているケースが多いです。そうならないためには、できる限り早く体調の異常に気が付いてあげることが大切です。

 

そこで飼い主様には、もっと動物病院を上手に利用していただきたいと考えています。普段の様子を把握している飼い主様と、医学的な観点での状態を把握している動物病院が連携することで、ワンちゃんや猫ちゃんの体の不調を早く発見し、症状が軽いうちに治療を始めることで、ワンちゃんや猫ちゃんにかける負担も減らせるでしょう。

 

病院の種類と役割

予防接種を受ける犬

 

一口に動物病院といっても、大きく2種類の病院があります。1つ目は、当院のような街の動物病院(かかりつけ医)で、一次診療を行います。一次診療では、複数種類の動物たちを対象に、ワクチン接種や寄生虫駆除などの予防医療や、避妊・去勢手術を含む一般的な手術を行います。診療範囲は広く、一人の獣医師が、整形外科、内科、皮膚科、眼科、呼吸器科、腫瘍科などの幅広い病気を総合的に診療します。

 

もう一つは、二次診療を行う専門的な病院です。大学病院や高度動物病院などが該当し、高度な検査や手術にも対応できる医療機器を導入しています。医師も、専門医としてのトレーニングを積んでおり、一人の獣医師が一つの診療科目を担当します。そのため、一次診療では治療できないような希少な症例や、高度な治療を行うことができます。

 

一次診療を行っている病院も、それぞれの病院の特徴があり、得意分野については高度な検査や治療、手術に取り組めるように努力しています。ただし、一次診療という幅広い診療を行うためには、どうしても限界がありますので、より高度な検査や治療が必要だと判断した患者様には、二次診療を行っている動物病院をご紹介することになります。

 

二次診療の動物病院にご紹介したからといって、一次診療の動物病院と患者様の関係が切れてしまうわけではありません。二次診療の動物病院と連携して、一次診療の病院で行える治療は引き続き行います。随時二次診療の病院と連携し、患者様にできるだけ負荷をかけず、飼い主様にもご納得いただけるような治療を、双方で分担して行っていきます。

 

一次診療を行う街の動物病院の主な役割をまとめると、下記になります。

①ワクチン接種、ノミ・ダニ・フィラリアなどの駆除といった予防医療

②日常的な診察や飼い主様からの健康相談、定期健康診断などによる病気の発見と治療

③専門的な治療が必要だと判断した場合は、専門医のいる二次診療施設にご紹介

④二次診療施設での治療の方針を受け、日常的なケアや治療を担当

 

予防と健康診断の重要性

動物看護師に歯を磨かれる猫

 

冒頭でも申し上げたように、動物病院に来るのを喜ぶワンちゃんや猫ちゃんは、残念ながらとても少ないです。特に猫ちゃんは、診察室で軽いパニックを起こし、飼い主様の手にも負えなくなるほど怯えてしまうケースも見られます。

 

だからこそ私は、ワンちゃんや猫ちゃんを普段から動物病院に連れて来ていただき、病院という環境に慣らしていただきたいと考えています。ワクチン接種やノミ・ダニ・フィラリアの駆除だけではなく、問診・触診・健康相談と爪切りなどのちょっとしたケアや定期健康診断などで毎月来院していただければ、ワンちゃんや猫ちゃんも病院や病院スタッフに慣れてくれるでしょう。

 

また、健康な時の様子を実際に目にし、定期健康診断で体内の状態を画像や数値で把握することで、ワンちゃんや猫ちゃんの体調の異変を早く発見することができます。まだ症状が軽いうちに発見できれば、治療方法の選択肢の幅も広がり、ワンちゃんや猫ちゃんに負荷をかけずに治療できる可能性も高まります。

 

ワクチン等で予防できる病気はしっかり予防し、寄生虫駆除などと抱き合わせで月1回程度の頻度で日常的な健康チェックを行い、若いうちは年に1回、シニア期以降は年に2回以上の頻度で、定期健康診断を行うことが理想だと考えています。

 

ノミ・ダニ・蚊は、完全室内飼いの猫ちゃんにも寄生する可能性があります。特に蚊に媒介されるフィラリアは、猫ちゃんにとっても怖い病気をもたらします。猫ちゃんも、月1回程度の通院で、予防・健康チェック・定期健康診断による病気の早期発見、早期治療を目指しましょう。

 

こんな利用方法も!

猫を挟んで会話する獣医師と飼い主様

 

最後に、もっと動物病院を活用していただくために、こんな対応もできますよという例をお話します。

 

まだお家にお迎えしたばかりなので、動物病院に連れて来るのが難しい。けれど、獣医師に相談したいことがあるといった場合は、事前にご予約いただければ、飼い主様のみのご来院による健康相談も承っています。いずれは患者様を連れて来ていただく必要がありますが、飼い主様のご要望に沿える形でのご対応を検討しますので、お気軽にご相談ください。

 

定期健康診断の検査項目は、飼い主様のご要望に合わせてカスタマイズできます。当院でご用意したコースを選んでいただいてもよいですし、飼い主様が特に心配されている検査項目を追加したり、普段の通院でわかっている検査項目は割愛したりできますので、費用面と併せてご相談ください。

 

病気が見つかった場合、獣医師は複数の治療方針をご提示します。それぞれについて、副作用なども含めてご説明し、最終的な治療方針を選んでいただきます。その際、迷われてしまってなかなか結論を出せない場合もあるでしょう。そのようなときは、難しすぎた部分や具体的に心配な点などを教えてください。ご理解いただけるように説明方法を工夫し、また迷われている点へのアドバイスなども追加させていただきます。

 

当院は、セカンドオピニオンにも対応しています。他院に通われていて、セカンドオピニオンを求めたい飼い主様も、歓迎いたします。また当院以外の病院のセカンドオピニオンを聞きたいというご希望があれば、当院の検査結果をご提供することもできますので、お気軽にご相談ください。

 

体調の悪さを訴えられないワンちゃんや猫ちゃんの健康管理は、ご自宅での飼い主様の観察、一次診療の動物病院、二次診療の動物病院などが連携し合うことが大切です。私たち一次診療の動物病院では、そのための飼い主様へのお手伝いを最大限に行っていきたいと考えております。どうぞお気軽に、何でもご相談し、私たちを大いにご活用ください。

 

ポイント

手術室

 

ポイント

・病院嫌いの子もできるだけ多く来院させることで、病院に慣らしましょう。

・ご自宅でのチェック、動物病院での予防と健康診断により、大切な動物を守りましょう。

・動物病院には、一次診療施設と二次診療施設の2種類があります。

・まずは信頼できる一次診療施の動物病院を見つけて、かかりつけ医にしましょう。

・飼い主様だけのご来院による健康相談もお受けできます。

・定期健康診断の検査項目は、ご要望に合わせてカスタマイズできます。

・治療方針に関して、納得していただけるまでご説明やアドバイスを行います。

・セカンドオピニオンにも対応いたします。

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