新しい年を楽しく迎えるために注意すること

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年末年始は危険がいっぱい

お正月の飾りで遊ぶ猫

 

こんにちは、横須賀市にある「つだ動物病院」院長の津田航です。

 

新型コロナウイルス感染症も5類相当の扱いとなり、久しぶりにご親戚やご友人と集まって新年を迎えたいと計画されている飼い主様も多いのではないでしょうか。年末年始で気になるのは、やはり誤飲誤食の事故です。

 

1年を通していつ起きても不思議ではない事故の一つですが、特に年末から年始にかけては、誤飲誤食により中毒症状を引き起こしたり、「誤食したかもしれない」と心配された飼い主様が、ワンちゃんや猫ちゃんを連れて来られたりすることが増えるという印象です。

 

前回ご紹介した通り、12月のイベントと言えばクリスマスです。ツリーの飾りを飲み込んでしまったり、骨付きチキンをつまみ食いしてしまったりして、慌てられる飼い主様も少なくありません。

 

しかし注意しなければならないのは、クリスマスだけではありません。年末には、普段はあまり掃除をされない細かい場所や水回り、コンロ周り、エアコンなどを本格的にお掃除され、門松や鏡餅を飾り、大勢の方を招いてお酒やおせち料理などのご馳走を食べる日が続くご家庭もあるでしょう。

 

そこで今回は、年末年始にかけて、ワンちゃんや猫ちゃんたちと一緒に安全で楽しく過ごすための注意点や工夫点などをご紹介したいと思います。

 

誤飲誤食に関する注意点

おせち料理と猫

 

ワンちゃんや猫ちゃんが口にすべきではないものを誤飲させないためには、「手の届かないところに出す」、「出している間は目を離さない」、「終わったらすぐに片付ける」が大前提です。その上で注意していただきたいことを、下記にまとめます。

 

◯大掃除

年末大掃除では普段あまりお掃除をしない部分が対象になるため、強力な洗剤を使ったり、普段は使わないお掃除グッズを活用したりすると思います。ワンちゃんや猫ちゃんは、物珍しい物に興味を示すと舐めたり口に入れたりしてしまうことがありますので、お掃除中はもちろん、その前後も十分な注意が必要です。

 

強い洗剤を使う場合は、十分な換気を行ってください。特に塩素系のガスは比重が重いため、床の方に溜まります。また換気の際に注意したいのが、開けた窓の隙間からの脱走です。特に猫ちゃんは、高い窓からでも楽々と逃げ出せますので注意しましょう。

 

◯おせち料理

おせち料理は、ワンちゃんや猫ちゃんにも安全な食材であっても、食べさせないでください。長期間保存できるよう普段のお食事よりも濃い味付けになっているため、腎臓への負担がかかるからです。

 

また肉料理を作る際に使用したタコ糸や串、楊枝なども、出しっぱなしにせずにすぐに片付けましょう。ゴミ箱に捨てたからといって安心はできません。美味しそうなニオイがするため、ワンちゃんも猫ちゃんも、ゴミ箱を倒したり蓋を開けたりして、必死に取り出そうとします。

 

もちろん、酔って飲み残したお酒を出しっぱなしにしないよう、飼い主様は飲み過ぎにも十分気をつけてください。

 

冬の健康管理の注意点

ストーブから離れない犬

 

◯風邪対策

年末年始に限ったことではありませんが、ワンちゃんや猫ちゃんも風邪を引きやすい季節です。室温や湿度の管理には十分に気をつけましょう。くしゃみや鼻水、目ヤニなどの症状に気付いたら、すぐに動物病院に連れて来てください。

 

年末年始は、多くの動物病院が休診だったり診察時間を短縮したりしています。かかりつけの動物病院の休診日や診察時間を確認しておくだけではなく、夜間も含めて救急で受け付けてくれる動物病院も調べておきましょう。

 

また多頭飼育の場合は、他の子への感染を防ぐため、症状の出ている子だけを別の部屋に隔離するといった対処も必要です。

 

◯冬でも大切な水分補給

これも年末年始に限った話しではありませんが、寒くなるとワンちゃんや猫ちゃんも水を飲む量が減ってきます。そうすると体の水分量が低下し、そのまま排尿量の減少を招きます。必然的におしっこが濃くなり、膀胱炎を発症する子が増えてしまいます。

 

ワンちゃんや猫ちゃんの冬の水分補給には、飼い主様の工夫が必要です。少し冷ました味付けしていない肉の茹で汁を普段のフードにかけてあげるとか、市販のウェットフードをいつもより多めにあげるなど、食事から多くの水分を補給できるようにするのもおすすめです。

 

しっかり楽しみましょう!

着物姿で記念撮影する犬

 

注意していただきたいことを書いてきましたが、いちばん大切なのは、飼い主様とワンちゃん猫ちゃんが楽しい年末年始を過ごせることです。しっかり注意をしていただきながらも、年末年始ならではの楽しい思い出をたくさん作っていただきたいと思います。

 

例えば、せっかくのお正月なのだから一緒におせち料理を楽しみたいという場合は、ワンちゃんや猫ちゃんのために作られた、市販のおせち料理を購入するのも良いでしょう。もちろん、ワンちゃんや猫ちゃんに食べさせても大丈夫だと分かっている食材を使い、味付けをせずに手作りのおせち料理を作ってあげるのも良いでしょう。

 

また、多少の人混みもへっちゃらなお散歩好きのワンちゃんであれば、人出が減ってきた時期を見計らって、愛犬同伴で参拝できる神社やお寺で一緒に初詣をするのも良いでしょう。最近では、ペット用のお守りやペットのための祈祷をしてくださるところもあるようです。

 

猫ちゃんなら、ペットショップの猫ちゃん向けお楽しみ袋などを購入すると、普段は選ばないようなタイプのおもちゃを入手できて、普段とは違った遊びを編み出せるかもしれません。お休みの多い年末年始は、じっくり遊べる良いチャンスでしょう。

 

年末年始は気が急くことが多いので、ワンちゃんや猫ちゃんと一緒に暮らしている飼い主様にとっては、いつも以上に気をつけなければならないことが満載のように感じるかもしれません。でも慌ただしくて忙しくて気を遣うだけの年末年始では、ただ疲労困憊してしまうだけです。

 

せっかくですから、ワンちゃんや猫ちゃんと一緒に楽しい1年のスタートを切りましょう!

 

ポイント

初詣する犬

 

ポイント

・年末年始には犬猫の誤飲誤食事故が増えます

・物珍しいものを見ると犬や猫は舐めたり口に入れたりするので注意が必要です

・塩素系洗剤のガスは下に溜まるので必ず換気をしましょう

・換気の際には窓からの脱走にも注意しましょう

・年末年始にも診察している病院を事前に調べておきましょう

・多頭飼育の場合、風邪の症状を見せた子は隔離して感染を防ぎましょう

・水分不足は膀胱炎につながるので、水分補給できるように工夫しましょう

・注意事項に気を配りながらも、愛犬愛猫と一緒に楽しく新年を迎えましょう

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