日本のペット記念日をいくつご存知ですか?

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さまざまな動物の記念日

仲の良い犬と猫

 

こんにちは、横須賀市にある「つだ動物病院」院長の津田航です。

 

記念日が好きな方は大勢いるようで、インターネットで「今日は何の日? ◯月◯日」と入力して検索すると、どんな日付でも「◯◯の日」という検索結果が返ってきます。

 

記念日を制定することで高いマーケティング効果が期待できるため、特定の製品や地域の特産品などが記念日の対象となっていることが多いようです。また、あることを啓蒙するために記念日が制定されることも多いようです。そして記念日の対象には、多くの動物たちも取り上げられています。動物たちの魅力を広めたり、保護を呼びかけたりといった目的が多いようです。

 

今回は、ペットや伴侶動物などと呼ばれて人と一緒に暮らしている動物に関して、日本で制定されている記念日をご紹介します。

 

犬に関連した記念日

笑顔で飼い主様の顔を見つめる犬

 

まずはワンちゃんに関連した記念日をご紹介します。南極物語のタロとジロや忠犬ハチ公など、実在した犬に関する記念日や、特定犬種の魅力を伝えようとするもの、犬全般についての学びや魅力の普及など、さまざまな目的で記念日が制定されています。

 

◯01/14|タロジロの日(愛と希望と勇気の日)

南極へ渡ったカラフト犬たちの悲しいお話は、体験記や映画、ドラマなどでご存じの方も多いと思います。1957年に第1次南極地域観測隊とともにカラフト犬が南極に渡りました。1年後、15頭の犬たちが置き去りにされ、さらに1年後にタロとジロの2頭の生存が確認されたという実話です。タロとジロの生存が確認されたのは、第3次越冬隊が南極に到着した1959年1月14日でした。このニュースが世界に愛と希望と勇気を与えたとして、1月14日が「タロジロの日(愛と希望と勇気の日)」となりました。

 

◯04/08|忠犬ハチ公の日

忠犬ハチ公のお話も、小説や映画などで有名です。東京帝国大学の教授だった上野英三郎博士が亡くなった後も、それまでの習慣を自ら繰り返して渋谷駅で上野博士の帰りを待ち続けた秋田犬ハチのお話です。1934年4月8日に渋谷駅前に銅像が建てられたことから、忠犬ハチ公銅像及び秋田犬群像維持会が制定しました。銅像が建てられた時、ハチは存命中だったので、記念式典にも出席していたそうです。

 

◯08/09|パグの日

SNSでホッカムリをした愛犬パグの写真を投稿していた小林健介氏が、世界中にパグの愛らしさとユーモアを届け、パグの健康と平和を願おうという目的で制定しました。日付は「パ(8)グ(9)」の語呂合わせからきています。

パグは大きな目、たれた耳、潰れた鼻が特徴の、とても愛嬌のある仕草や雰囲気、性格が魅力的な犬種です。8月9日になると、SNSにほっかむりをしたパグの写真を投稿して記念日を祝う飼い主様が増えるそうです。

 

◯11/01|犬の日

一般社団法人ペットフード協会が、犬に関する知識を深めるとともに犬をかわいがることを目的として制定しました。犬の鳴き声の「ワンワンワン」からこの日付になりました。犬と人との歴史は長いため、犬の日を制定しているのは日本だけに限りません。アメリカでは、動物行動学者のコリーン・ペイジ氏が8月26日を犬の日に、7月31日と12月2日をミックス犬の日に、3月23日を子犬の日に制定し、犬の魅力などの普及だけではなく、ミックス犬への認識改善や子犬の無計画な繁殖、命の売買の撲滅などの啓蒙を図っています。またイギリスでは、6月最終金曜日が「BringTake Your Dog to Work Day(飼い犬を職場に連れて行こう)」の日とされています。

 

◯11/10|人と犬・愛犬笑顔の日

大阪市で人と犬のホームケアを学ぶ「Studio hito to inu」の主催者である小野真希氏が制定しました。「愛犬の笑顔はあなたの笑顔から」をキャッチフレーズに、年に一度、愛犬家が人と犬とのつながりや絆を確認し、愛犬とともに過ごして一緒に笑う日にしようという趣旨です。日付は、スマイルマークが11と10でできているように見えることから来ています。小野氏は「人と犬・愛犬笑顔の日普及事務局」のサイトを立ち上げ、記念日の取り組みとして、愛犬家として今すぐできることをしようといった趣旨の呼びかけや、大阪を中心にした各種イベントの開催といった活動を続けておられます。

 

猫に関連した記念日

飼い主様を見る猫と獣医

次に猫ちゃんに関連した記念日をご紹介します。猫は犬と比べると動物病院への来院率が低いため、その状況を改善しようとする取り組みや、野良猫の問題への取り組みとしての記念日が目立つようです。

 

◯02/22|猫の日

ペットフード協会が主催し、猫好きを自認する文化人や知識人で結成された「猫の日制定委員会」が、猫と一緒に暮らせる幸せに感謝して猫とともに喜びを噛みしめる記念日として1987年に制定しました。日付は猫の鳴き声の「ニャンニャンニャン」からきています。2月22日は日本独自の記念日ですが、世界に目を向けると2月17日(イタリア猫の日)、3月1日(ロシア猫の日)、4月4日(台湾猫の日)、6月4日(全米ネコをハグする日)、8月8日(世界猫の日)、8月17日(黒ネコ感謝の日)、8月27日(中国猫祭り)などがあるようです。

 

◯02/22|猫の健康診断の日

獣医師団体の「一般社団法人Team HOPE」が、犬と比べて動物病院への来院率が低い猫の健康診断を推進する目的で制定しました。日付は、猫の日と同じく猫の鳴き声からきています。

 

◯03/22|さくらねこの日

公益財団法人どうぶつ基金が、不妊手術を終えた目印として耳先を桜の花びらのようにカットした野良猫のことを全国に広げ、望まれない子猫の増加を防ぐことが殺処分される猫を減らすことにつながることを啓蒙するために制定しました。日付は、「さくら(3)ニャンニャン(22)」の語呂合わせです。

 

◯10/22|キャットリボン(猫のピンクリボン)の日

一般社団法人日本獣医がん臨床研究グループが制定しました。猫は人と同様にがんの発症率が高く、特に乳がんによって命を落とすケースが多いため、猫の乳がんの早期発見、早期治療の普及が目的です。人の乳がん啓発月間(ピンクリボン月間)の10月と猫の鳴き声「ニャンニャン(22)」の語呂合わせからこの日付になりました。

 

その他の動物たちの記念日

撫でられるハリネズミ

最後に、ワンちゃんや猫ちゃん以外の動物たちの記念日をご紹介します。

 

◯02/02|ハリネズミの日

日本では、2月2日はハリネズミの日として紹介されています。実は正式名称を「Groundhog Day」といい、アメリカペンシルベニア州中部で行われている、グラウンドホッグ(別名ウッドチャック)が春の到来予想をする占い行事が行われる日のことです。Groundhog Dayには諸説があり、カナダやアイルランドの伝承にも記録があるそうです。またグラウンドホッグではなく、ハリネズミでも同様の占いを行っている地域もあるとされていることから、日本ではペットとして人気のあるハリネズミの日と呼ばれているようです。

 

◯03/03|うさぎの日

「耳の日」として知られている3月3日は、この耳から「うさぎの日」ともいわれています。うさぎ好きの間で言われだし、それが徐々に定着したようです。因幡の白兎の神話で有名な鳥取県は、2023年3月3日(うさぎ年のうさぎの日)限定で、県名を「兎取県」に改名し観光PRに活かしていました。

 

◯04/02|National Ferret Day(国際フェレットの日)

日本の記念日ではありませんが、アメリカフェレット協会とフェレット愛好家とが、フェレットに対する意識を広め、不安を払拭し、ペットとしてのフェレットの世話などに関する知識を普及させるために、毎年4月2日をフェレットの日としました。いたずら好きで何かと注目を集めたがる性質のフェレットは迷惑者だという誤解を受けやすいため、もっとフェレットの魅力を広く知ってもらいたいという趣旨のようです。

 

◯06/15|オウム・インコの日

一緒に暮らしている鳥類を適正飼養し、愛情を持って接するための啓蒙活動のために、千葉県の「TSUBASA」という団体が2007年に制定しました。日付は「オウム(06)」と「インコ(15)」の語呂合わせです。

 

◯08/06|ハムスターの日

日本では、「ハ(8)」と「ム(6)」の語呂合わせから、この日がハムスターの日とされています。ただし、国際的には4月12日がハムスターの日です。これは、1930年4月12日にヘブライ大学の動物学者がトウモロコシ畑でシリアンハムスター(ゴールデンハムスター)を捕獲し、実験動物として飼育し始めたことに由来しているそうです。現在世界中に広まっているゴールデンハムスターの元祖は、この時のシリアンハムスターの子孫だといわれているようです。

 

◯10/24|文鳥の日

文鳥に詳しいライターの伊藤美代子氏が、江戸時代から愛されてきた文鳥について考える日として制定しました。「手(10)に(2)幸せ(4)」の語呂合わせと、この時期に手乗り文鳥のヒナが出回ることなどからこの日付になりました。

 

◯11/15|いいインコの日

創業者がセキセイインコを飼っていたことから社名や社章にセキセイインコを起用している文具メーカーのセキセイ株式会社が、インコのかわいさを広めることを目的に制定しました。日付は、「いい(11)インコ(15)」の語呂合わせからきています。

 

ポイント

見つめ合う犬と猫

 

ポイント

・犬や猫の記念日は、日本だけでなく世界の各地で制定されています。

・日本では猫の来院率が犬よりも低い、まだ野良猫が多いなどの問題があるため、それらの状況を改善しようとする記念日が目立つようです。

・日本には、犬や猫だけでなく、人と一緒に暮らしているさまざまな動物たちの記念日も制定されています。

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