横須賀エリアの海辺環境で気をつけたい!愛犬の皮膚病予防ガイド

犬猫の病気や症状

こんにちは、横須賀市にある「つだ動物病院」院長の津田航です。

 

横須賀エリアは美しい海辺の景観が魅力で、愛犬との散歩にもぴったりな環境です。しかし、潮風や砂埃、湿度の高さなど、この地域ならではの要因によって犬の皮膚にトラブルが起こりやすいことをご存じでしょうか。たとえば潮風に含まれる塩分が被毛や皮膚に付着すると乾燥や痒みの原因となり、砂浜の細かな砂埃が毛穴に入り込むことで皮膚炎が生じることもあります。また、湿度の高い環境はカビや真菌の繁殖を助長し、皮膚の弱い愛犬にとっては大きな負担になります。

 

今回は、横須賀エリアの海辺環境が愛犬の皮膚にどのような影響を与えるのかを詳しく解説するとともに、具体的な予防策やケア方法をご紹介します。

横須賀エリアの海辺環境が愛犬の皮膚に与える影響とは

海辺を犬と散歩する女性のイラスト。潮風、砂埃、高湿度、紫外線の影響が図示されている

横須賀エリアの海辺環境には、愛犬の皮膚トラブルを引き起こす要因がいくつかあります。

 

①潮風による塩分の付着

潮風に含まれる塩分は、皮膚や被毛に付着すると乾燥やかぶれを引き起こす原因になります。とくに皮膚が敏感な犬では、赤みや強い痒みが出やすくなるため注意が必要です。

 

②砂浜の砂埃

砂浜の砂粒は意外と細かく、被毛の奥や皮膚のシワに入り込みやすいものです。砂には細菌が付着している場合もあり、皮膚炎や感染症につながるリスクがあります。

 

③高湿度の環境

海辺特有の湿度の高さは、皮膚にカビや真菌が繁殖しやすい状況をつくります。とくにマラセチア性皮膚炎など、湿度が原因で悪化する皮膚病には要注意です。

 

④紫外線

海辺は日陰が少なく、海面からの反射もあって紫外線量が増えるため、皮膚へのダメージが大きくなります。皮膚が弱い愛犬の場合、日差しの強い時間帯の散歩を避けたり、洋服を着せるなどの対策が有効です。

皮膚トラブルが起きやすい犬種や体質

短毛種や被毛の密度が低い犬種(例:フレンチブルドッグ、ミニチュアピンシャーなど)やアトピー体質、アレルギー体質の犬は、外部からの刺激に弱く、皮膚トラブルを起こしやすい傾向にあります。

 

また、柴犬はアトピー体質を持っていることが多く、潮風が原因で肌荒れを起こすことがあるため、日頃からこまめに皮膚の状態をチェックしてください。

海辺で暮らす愛犬への皮膚病予防法

・日々のブラッシングやシャンプー
ブラッシングは、被毛についた砂埃や塩分を取り除くうえで欠かせません。また、定期的なシャンプーで皮膚を清潔に保つことが重要です。皮膚に優しい低刺激のシャンプーを選び、洗いすぎによる乾燥を防ぐこともポイントです。

 

・肉球と体全体の拭き取り
足裏には砂や塩分が残りやすく、湿度が高い季節にはカビが生えやすい場所でもあります。

 

散歩後は軽く水洗いしてから、清潔なタオルで肉球の間までしっかり拭いてあげましょう。洗った後は専用の保湿クリームやワセリンを塗ると効果的です。

 

また、体全体をウェットタオルやぬるま湯を含ませたタオルで拭き、砂や塩分を落としておくと皮膚トラブルの予防につながります。

 

・室内環境の管理
高湿度は皮膚病を悪化させる原因となります。エアコンや除湿機で室内の湿度を50〜60%に保ち、寝床や床を清潔にしておくと、皮膚への負担が軽減されます。特に愛犬が休むスペースには、頻繁に掃除機をかけたり、マットやクッションをこまめに洗って清潔に保つよう心がけましょう。

 

・定期的な健康チェック
海辺で暮らす犬は皮膚病のリスクが高いため、定期的に動物病院で健康チェックを受けることをおすすめします。早期発見・早期治療が、重症化を防ぐ鍵です。

皮膚病を早期発見するためのチェックポイント

愛犬の健康を守るためには、日々の観察が非常に重要です。特に皮膚病の初期症状は見逃されやすいため、次のようなポイントを日常的にチェックしましょう。

 

1.皮膚の赤みやかさつきがないか
日々のスキンチェックで赤み、フケ、湿り気が目立つ部分がないか確認しましょう。

 

2. かゆみや掻きむしり
頻繁に体を掻いたり、特定の部分を舐め続けている場合は、かゆみを感じている可能性があります。特に耳や足先、腹部などを執拗に舐めている場合は、アレルギーや感染症が原因となっていることがあります。

 

3. 脱毛や毛質の変化
毛が部分的に抜けている、毛並みが艶を失っている、または毛が薄くなっている部分がある場合は、皮膚トラブルが隠れているかもしれません。特に、毛が塊で抜ける場合は早めの対応が必要です。

 

4. 異臭がする場合
皮膚や被毛から普段と違う臭いがする場合、真菌感染や細菌感染が進行している可能性があります。皮膚から不快な臭いがする場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。

獣医師への相談が必要なケース

次のような場合は早急に動物病院を受診する必要があります。

 

・皮膚がただれている、または血がにじんでいる
・掻きむしりや舐めすぎによる出血や傷がある
・痒みが強すぎて夜も眠れない様子がある
・数日以上続く脱毛や炎症が見られる
・体全体に症状が広がり始めた

 

早めに獣医師に相談することで、病気の進行を防ぎ、適切な治療を開始することが可能です。

まとめ

・皮膚の赤みや痒み、脱毛など、小さな変化を見逃さないようにしましょう。
・潮風や砂埃をしっかり落とすことで、愛犬の皮膚を保護できます。
・湿度の調整や寝床のこまめな掃除で、皮膚病のリスクを軽減しましょう。
・皮膚病は放置すると慢性化しやすいため、異常を感じたらすぐに獣医師に相談してください。
・当院では、愛犬の皮膚病予防から治療まで、飼い主様と一緒に最善の方法を検討し、ご提案しています。

 

横須賀・三浦・逗子・葉山エリアを中心に診療する動物病院
つだ動物病院

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