夏休みはワンちゃんと旅行を楽しむチャンス

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愛犬と旅行を楽しむために

ハンモックに揺られる愛犬と飼い主様

 

こんにちは、横須賀市にある「つだ動物病院」院長の津田航です。

 

新型コロナウイルス感染症の感染症法での位置付けが5類に変更されたことから、今年の夏休みは久しぶりにご家族揃って旅行に出かけようと計画されている、飼い主様も多いのではないでしょうか。

 

家族旅行ですから、当然一緒に暮らしているワンちゃんや猫ちゃんも一緒に連れて行き、旅行先で楽しみたいと思われるのは、少しも不自然なことではありません。しかし、どんな子も等しく平等に旅行を楽しめるとは限りません。

 

例えば猫ちゃんは警戒心が強く、縄張りの外へ出たり知らない人や他の動物たちと触れ合ったりすることを楽しめない子がほとんどなので、旅行には向きません。猫ちゃんの場合は、お家で一緒に楽しく過ごす計画を立てられるか、または安全にお留守番できるように留守中のお世話を頼めるご友人やペットシッターさんを探されることをおすすめします。

 

同じように、警戒心が強いワンちゃんは旅行には向いていません。しかし、きちんと社会化やしつけをされていて、他の人や動物との触れ合いができる、飼い主様の指示に従って興奮を鎮めることができるといったワンちゃんであれば、飼い主様との旅行も楽しめるでしょう。

 

それでは、ワンちゃんと一緒に旅行を楽しむためには、どのような準備や注意が必要なのかについて、整理してみましょう。

 

楽しむためには準備が大切

ペット旅行で車に積み込んだ荷物

 

最近は、ワンちゃんと一緒に泊まれる旅館やホテル、コテージ、グランピングなども増えてきています。ワンちゃんと一緒にキャンプ場で本格的なキャンプを楽しむこともできますし、グランピング施設で気軽にキャンプ体験をすることもできます。貸し切りのコテージでワンちゃんやご家族と川の字になって夜を過ごすこともできるでしょう。

 

こういった施設では、ワンちゃんが生活するために必要なものが揃えられていることが多いです。また、ワンちゃん用のお食事が用意されていて、それが目玉になっているような場合もあるでしょう。

 

ワンちゃんは飼い主様と一緒に旅行を楽しめるとはいえ、やはり警戒心を持ち、始めての場所には不安を覚えるのが自然なことです。そういったワンちゃんの不安を軽減し、リラックスしてもらうためには、例え荷物が増えてしまっても準備しておく方が良いものがあります。

 

それは、ワンちゃんが普段使っている物、普段食べているもの、ワンちゃん自身や飼い主様のニオイが染み込んでいる物などです。そういった事も含めて、旅行に持っていく必要のある物、持っていった方が便利な物を列挙しますので、参考になさってください。

 

<持っていく必要のある物>

・観察、狂犬病予防注射済票などの各種証明書類

・リードおよび首輪または胴輪

・トイレシート

・うんち袋

・ウェットティッシュ

・水

・普段食べているフードやおやつと食器

・タオル類

・キャリーまたはクレート

・ブラシ

・普段飲んでいる薬や酔い止め薬

 

<持っていくと便利なもの>

・普段使っているベッド

・迷子札

・マナーウェア

・粘着ローラー

・消臭スプレー

 

愛犬との旅行の注意点

ドライブシートに入っている犬

 

移動手段としては、やはり車が一番便利だと思います。ワンちゃんと一緒のバスツアーなどもありますが、自家用車での移動であれば、車内で他の人へ気遣いする必要もありませんし、ワンちゃんが車酔いをした場合も臨機応変に対応できます。

 

ドライブシートや体にぴったりなサイズのクレートなどを利用して、ワンちゃんが安全にドライブできる環境を整え、ドライブ事態も楽しめるようにすると良いですね。予め旅程の中にサービスエリアでのドッグラン利用などを組み込んでおくこともできます。

 

車での移動で注意したいのが、車酔いと温度管理です。運転中の揺れ、長時間におよぶ行動制約、車内の空気の淀みやニオイなどが、ワンちゃんに車酔いを引き起こします。日頃から短時間のドライブで車に慣らしておき、できるだけカーブや揺れが少ないコースを選んで慎重に運転することを心がけましょう。また、こまめに休憩を取って車内を換気したり、外で軽く散歩をさせたりといったことも大切です。

 

車内はすぐに温度が上がりますので、例え数分だとしても、車内にワンちゃんだけを置き去りにしないことも絶対厳守事項です。エアコンを利用して、車内温度が20〜23℃で維持できるようにコントロールしてください。

 

また、旅先で何があってもすぐに対処できるように、旅先の動物病院も複数調べておきましょう。診療時間や休診日、駐車場の有無などを調べておくと、いざというときにも安心です。

 

ワンちゃんと一緒に旅行を楽しむときの注意事項などについては、以前のブログでも詳細にご紹介していますので、参考にしてください。

<愛犬との旅行>へのリンク

<犬と一緒に旅行をするときの注意点>へのリンク

 

旅行にはしつけも大切

アイコンタクトを図れる犬

ワンちゃんとの旅行を楽しむためには、日頃のしつけもとても大切です。それは、公共の交通機関やホテルなどを利用する場合はもちろんのこと、マイカーと貸し切りコテージといった家族だけで行動する旅行の場合でも同じことです。どんな旅行であっても、他人や他の動物と出会わずにすむことは、まずないからです。

 

とはいえ、特別なしつけが必要なわけではありません。知らない人や動物と出会ったときにも落ち着いて行動できる、多少興奮しても飼い主様の「マテ」「コイ」「オスワリ」といった基本的な指示に従えるようにしつけられたワンちゃんであれば、急に飛び出して行方不明になったり交通事故に遭ったりすることも、拾い食いをしてお腹を壊してしまうことも、他人や他の動物を襲ったりすることも防げるでしょう。

 

旅先のいつもとは異なる環境や飼い主様の開放的な気持ちが影響して、ワンちゃんの気持ちを高ぶらせてしまい、いつもとは異なる行動をとったり些細なことに興奮してしまったりすることがあるのを、忘れないようにしましょう。

 

しつけは、ワンちゃんを縛り付けるものではありません。人間社会の中で、ワンちゃんが安全で快適に暮らせるようにするためのルールを教えることです。そして、いざという時には飼い主様ご自身も落ち着いて対処できるようになる、飼い主様のためのものでもあるのです。

 

ワンちゃんと一緒に旅を楽しみたい飼い主様は、しっかりとした事前準備と旅行計画、そして日頃のしつけを行うことで、ワンちゃんとの旅を安全で楽しく過ごし、大切な思い出の1ページを増やせる夏休みにしてください。

 

ポイント

家で寛ぐ犬と猫

 

ポイント

・旅先で必要なものを忘れないようにしっかり準備しましょう。

・ワンちゃんが知らない場所でリラックスできるための物も用意しておきましょう。

・ワンちゃんと旅行に行くときの移動手段は、自家用車がおすすめです。

・ワンちゃんに車酔いをさせないための工夫をしましょう。

・いざというときのために、予め旅先の動物病院を複数調べておきましょう。

・ワンちゃんとの旅行を楽しむ秘訣は、日頃からきちんとしつけをしておくことです。

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