犬と猫の腸閉塞について┃異物の誤飲誤食で命を落とすことも

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こんにちは、横須賀市にある「つだ動物病院」院長の津田航です。

 

腸閉塞とは何らかの原因で腸がふさがっている状態のことです。腸閉塞には異物や腫瘍などの物理的な原因によるものと、腸の蠕動(せんどう)運動機能が低下する機能的な原因によるものがあります。この中で、犬や猫でよく問題となるのは異物を誤食し腸に詰まるタイプです。

 

今回は、犬と猫の腸閉塞の原因や症状、診断、治療方法などをご紹介します。

原因

犬や猫の腸閉塞で、圧倒的に多いのは異物の誤飲誤食による機械的閉塞です。
よく飲み込むものとして、おもちゃや靴下、果物の種などがあります。また、紐状の異物は腸の形状と似ており、腸が張り裂けることがあるため特に危険です。

 

飲み込んだ異物のサイズが小さければ、便とともに排泄されることもありますが、一度腸に引っかかってしまうと、内視鏡や開腹手術で取り除く必要があります。

 

その他の原因としては、消化管腫瘍やポリープ、腸捻転、腸重積、神経麻痺や腹膜炎、ヘルニア(会陰、臍、横隔膜)などが挙げられます。

 

症状

通過障害の程度や飲み込んだ異物の大きさなどで症状は異なりますが、下記のような症状がみられます。

 

頻回の嘔吐
腹痛
食欲不振
元気消失
腹部膨満(消化管にガスが溜まるため)
下痢
便秘  など

 

腸閉塞の状態を放置すると腸の血液循環が阻害され、腸の壊死や腸穿孔、腹膜炎、敗血症ショックなどが生じ、命を落とす危険性もあります

 

診断方法

一般的に、腸閉塞の診断はレントゲン検査や超音波検査、CT検査を用いて行います。
腸閉塞以外にも消化器症状を示す病気はたくさんあるため、全身状態を把握するために血液検査も同時に行います。

 

当院では、嘔吐を主訴に来院され、血液検査、レントゲン検査、超音波検査を実施した後に
CT検査で確定診断を行うケースが多いです。

 

〈竹串を飲み込んだ症例〉

レントゲン

 

レントゲンでは竹串がはっきりと映らず診断が困難です。

 

CT サジタル像

 

CT検査でお腹を横から見た図です。レントゲン検査よりも明らかに竹串が白く映っています。

 

CT 3D像

 

先程のCT写真を3Dに変換した写真です。明らかに細長い竹串が確認できます。

 

このように異物を飲み込んだ疑いのある症例では、CT検査を行うことで確実に異物の存在を把握でき、より良い治療方針の決定や試験的開腹の回避などの様々なメリットがあります。

 

当院のCT検査の症例についてはこちらをご覧ください

 

治療方法

異物が食道や胃に詰まっている場合は全身麻酔をかけて内視鏡で摘出します。

 

異物が胃を超えて腸まで流れている場合や、異物の大きさ的に内視鏡での摘出が困難な場合は、開腹手術で摘出します。このとき、閉塞している部分の腸管が壊死していた場合は、周囲の腸管を切除することもあります。

 

ご家庭での注意点

異物の誤食による腸閉塞を治療しても、犬や猫はまたすぐに異物を飲み込んでしまい、再発するケースが非常に多いです。
そのため、普段から愛犬愛猫が口に入れるサイズの物を手の届かない場所に置く、しつけを徹底する、愛犬愛猫からなるべく目を離さないなどの対策を行い、再発を防止することが何よりも大切です。

 

過去に誤飲誤食をした経験がある愛犬愛猫は特に注意しましょう。

 

誤飲誤食について、こちらの記事でも詳しく解説しています

 

まとめ

・犬と猫の腸閉塞の多くは異物の誤食によって発生します。
・おもちゃや靴下、果物の種などが腸に詰まるケースが多く、特に紐状の異物は腸に引っかかることが多いので注意が必要です。
・レントゲン検査、超音波検査に加えてCT検査を行うことでより正確に診断・治療計画を立てることができます。
・内視鏡で摘出できる場合は内視鏡摘出、胃を超えて腸まで異物が流れている場合や閉塞していれば開腹手術を行います。
・異物の誤食は繰り返すことが多いので、飼い主様自身が注意して生活環境を整え、再発を予防することが大切です。

 

横須賀・三浦・逗子・葉山エリアを中心に診療する動物病院
つだ動物病院

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