愛犬愛猫飼い主様、皆が幸せな環境づくり
伴侶動物としての幸せ
こんにちは、横須賀市にある「つだ動物病院」院長の津田航です。
数千年〜数万年以上昔、犬や猫は野生動物として暮らしていました。そのうち、それぞれに人との暮らしがwin-winとなることを発見し、人と暮らすようになりました。やがて愛玩動物として「可愛がられる」対象となり、今では家族の一員として迎えられる伴侶動物になりました。
こうして人と家族となった犬や猫は、安全や安心、そして飼い主様からの愛情を得ましたが、自分の意思で狩りをしたり、好きな時に好きな場所で過ごしたりといった自由を失いました。たとえ本来の習性とは異なっていても、人のルールに合わせることも必要になりました。
そのためワンちゃんや猫ちゃんの幸せには、飼い主様の努力が欠かせなくなりました。飼い主様が、人の社会におけるルールを教え、ワンちゃんや猫ちゃんの幸せに責任を持たなければならないのです。
ワンちゃんや猫ちゃんの幸せについては、以前下記のブログにも書かせていただきましたので、よろしければご一読ください。
環境を整えることの大切さ
以前のブログの中で、人の飼育下または人によって制限された環境で暮らす動物たちに対して、人が保証しなければならない5つの自由があるというお話をしました。
1.飢えと渇きからの自由(Freedom from Hunger and Thirst)
2.痛み・ケガ・病気からの自由(Freedom from Pain, Injury or Disease)
3.恐怖や苦悩からの自由(Freedom from Fear and Distress)
4.不快からの自由(Freedom from Discomfort)
5.正常な行動をする自由(Freedom to Express Normal Behavior)
この中でも特に実現が難しいのが、5番目の「正常な行動をする自由」です。しかし、ワンちゃんや猫ちゃんにこの自由を提供できないと、心身を健全な状態に維持してあげることが難しいことがわかってきています。
ワンちゃんや猫ちゃんに「正常な行動」をさせられる環境を作るためには、まず犬や猫の習性を理解しなければなりません。ただし、いくらワンちゃんや猫ちゃんの習性に適していても、飼い主様やご家族にとって不自由だったり我慢が必要だったりするのでは、一緒に暮らすことが難しくなります。
人と動物が共に快適に過ごすためには、双方にとって快適と言える範囲内の環境を作ることが鍵となります。今回は、そのためのヒントになるのではないかと考えている工夫点をお話ししたいと思います。
ワンちゃんのための工夫
◯室内環境
犬にとって快適な環境は、気温20℃、湿度40〜60%程度です。室温を20℃にしてしまうと、飼い主様には寒すぎるかもしれません。その場合は、室温を人にとって適温の26〜27℃にし、湿度を50%程度に維持してください。後は、ワンちゃんの様子をしっかり観察し、お互いに快適に過ごせる温度と湿度の範囲を見つけましょう。また、ゲリラ雷雨の時でも外の音があまり聞こえないような、安心して落ち着けるワンちゃんの居場所を作ってあげてください。
◯お留守番
群で暮らしていたため、丸1日といったような長時間の独りだけでのお留守番は、ストレスになってしまう可能性が高いでしょう。どうしても必要な場合は、夢中になれる安全な知育玩具などで遊ばせるなど、留守番のストレスを抑える工夫が必要です。
◯運動・遊び
犬は広い平原で暮らしていました。狩りも群で行い、見つけた獲物を仲間たちと追いかけ、協力して捕まえるというスタイルをとっていました。そのため、できるだけ広いエリアを思いっきり走れるような環境と、飼い主様と一緒に協力しながら狩りを行う能力を活かした遊びを行う時間が必要です。
とはいえ、広いお庭のあるお家はそんなに多くはないでしょう。平日は朝晩のお散歩、お休みの日を利用してドッグランなどで思いっきり走らせてあげたり、一緒にドッグスポーツを楽しまれたりすると、ワンちゃんにとってはとても快適な暮らしになるでしょう。
お天気の悪い日も、室内で楽しみながらワンちゃんのストレスを発散できる遊びはたくさんあります。遊び方の具体例は、以前のブログも参考にしてみてください。
猫ちゃんのための工夫
◯室内環境
猫にとって快適な環境は、気温25〜28℃、湿度50〜60%です。ワンちゃんと猫ちゃんを多頭飼育しているご家庭では、上手に湿度を管理して、室温を中央値に寄せると良いでしょう。猫ちゃんが寒すぎた時に避難できるような場所も確保しておいてあげましょう。またワンちゃんと同じく、外の影響をできるだけ和らげ、安心して落ち着ける猫ちゃんの居場所を確保してあげましょう。
◯高い場所を解放する
猫は木の上など、縄張りを見渡せる高い場所を好みます。侵入者の見張りや獲物探しなどには、高い場所が最適だったのです。そのため、棚や冷蔵庫の上などを空けたり、キャットタワーやキャットステップなどを設置したりして、高い場所に猫ちゃんだけの居場所を作ってあげることが、快適な環境づくりに役立ちます。
◯運動・遊び
猫は、基本的には単独で生活する動物です。そのため、共同で作業やスポーツをするようなことは求めません。しかし強い狩猟欲求を持っていますので、その欲求を満たしてあげることがとても大切です。
そのためには、飼い主様がおもちゃを獲物に見立てて動かし、狩りごっこをして遊ぶ時間を作る必要があります。猫の体力は10〜15分程度で切れてしまいます。朝や夜の食事前に、短時間の狩りごっこタイムを作って一緒に遊びましょう。この時間があることで、猫ちゃんが部屋中の家具で爪とぎをするなどの、飼い主様にとって問題となる行動を抑えることができます。
猫ちゃんとのいろいろな遊び方についても、以前ブログでご紹介しましたので、参考になさってみてください。
ポイント
ポイント
・ワンちゃんや猫ちゃんを幸せにするのは飼い主様の責任です
・必要なお世話の他に犬や猫の習性に適した環境を作ることも大切です
・愛犬愛猫ファーストで飼い主様が我慢をする生活は長続きしません
・飼い主様も愛犬愛猫も、共に快適で幸せに暮らせる環境を工夫しながら作りましょう
・室温と湿度の最適な組み合わせで、ご家族の皆が快適に過ごせる室内環境を整えましょう
・ワンちゃんには、広い場所で思いっきり体を動かす機会を作りましょう
・ワンちゃんの長時間のお留守番は、知育玩具などでストレスを抑制しましょう
・猫ちゃんには、お家の中の高い場所を解放してあげましょう
・猫ちゃんと毎日狩りごっこをして遊ぶ時間を作りましょう
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