横須賀の飼い主様必見|梅雨時期に犬と猫がかかりやすい病気と予防のポイント

犬猫の病気や症状

こんにちは、横須賀市にある「つだ動物病院」院長の津田航です。

 

梅雨の季節が近づいてくると、「最近なんとなく元気がない」「耳をかく回数が増えたかも…」といったご相談が増えてきます。

 

横須賀は海に面しているため湿度が高く、梅雨の時期は雨が続きやすいのが特徴です。この“高温多湿”な環境は、皮膚トラブルや体調不良、運動不足による関節への負担、食欲不振など、犬や猫の健康にさまざまな影響を及ぼします。

 

今回は、そんな梅雨の時期に気をつけたい病気や、飼い主様が日常生活の中で実践できる予防とケアのポイントについて、獣医師の視点からわかりやすくご紹介します。

梅雨時期に多発する皮膚トラブル

梅雨に最も多く見られるのが、皮膚トラブルです。高温多湿な環境では、細菌やカビ(真菌)が繁殖しやすくなり、皮膚が炎症を起こしやすくなります。

 

代表的な疾患には、以下のようなものがあります。

 

急性湿潤性皮膚炎
突然かゆがって舐め続ける、赤み・ただれ・ジュクジュクとした液体、脱毛などが見られます。耳の裏や首、太ももの内側など、湿気がこもりやすい部位に多く発症します。

 

指間炎
足の指の間が赤く腫れたり、舐めすぎてただれたりする炎症です。湿ったままの足裏や肉球のあいだに細菌が繁殖することで悪化しやすくなります。

 

外耳炎
耳の中が赤くなり、かゆみ・臭い・耳を振るなどの症状が見られます。とくに垂れ耳の犬種や耳毛が多い子は、耳の中に湿気がこもりやすく、細菌やマラセチア(酵母菌)が増殖しやすいため注意が必要です。

 

外耳炎の症状や治療方法についてより詳しく知りたい方はこちら

 

また、横須賀特有の潮風に含まれる塩分が皮膚に残ることで、かゆみや炎症を引き起こすこともあります。濡れた被毛はしっかり乾かし、海辺の散歩後はぬるま湯で軽く洗い流すと安心です。

 

雨の日の運動不足が招く関節や筋肉のトラブル

雨が続くとお散歩の回数が減り、運動不足になりがちです。しかし運動不足は、関節や筋肉のトラブルにつながるため注意が必要です。

 

特に注意が必要なのは、以下のようなケースです。

 

シニア期を迎えた犬・猫
膝蓋骨脱臼や股関節形成不全などの関節疾患を持つ子
手術後でリハビリ中の子

 

これらに該当する子たちは、普段から関節や筋肉への配慮が必要であり、梅雨時期は運動不足による悪化リスクが高まります。

 

膝蓋骨脱臼の原因や治療方法についてより詳しく知りたい方はこちら
股関節形成不全の原因や治療方法についてより詳しく知りたい方はこちら

 

そのため、雨の日でも室内でできるストレッチやバランス運動、マッサージや知育おもちゃを使った遊びなどを取り入れ、筋力低下や関節の硬直を防ぎましょう

 

また、晴れた日に張り切って急に激しく動くと、かえって関節や心臓に負担をかけてしまうこともあるため、久々のお出かけの際は、ゆっくりと無理なく始めるのがポイントです。

 

フードや食器も湿気に要注意

梅雨時期は、フードの管理にも注意が必要です。高湿度の環境では、ドライフードの劣化・カビの発生・酸化が進みやすくなります。
そのため、以下の点に気をつけましょう。

 

フードは密閉容器に入れ、涼しく乾燥した場所で保管する
1か月以内に使い切れる量を購入するのが理想的
開封日を記録し、鮮度を管理する
食べ残しは放置せず、すぐに片付ける
食器や水飲みボウルは毎日洗ってしっかり乾かす

 

湿気の多い時期は、食器のヌメリや細菌の繁殖も増えやすくなります。毎日の食事だからこそ、衛生管理を徹底することが大切です。

 

梅雨のストレスと体調不良

犬や猫も人と同様に、気圧や湿度の変化に敏感です。低気圧が続くことで自律神経が乱れ、元気がない・眠りが浅い・食欲が落ちるといった不調が現れることがあります。

 

また、外に出られないことでストレスがたまり、以下のような変化が見られることもあります。

 

食事量にムラが出る
トイレの回数・様子が変わる
いつもより静かになる、あるいは落ち着きがなくなる
グルーミングが増える、同じ場所をしきりに舐める

 

「梅雨のせいかも」と様子を見すぎずに、少しの変化にも気づいてあげることが大切です。体調や行動の変化に気づいたら、早めにご相談ください。

 

横須賀での梅雨対策アドバイス

横須賀の梅雨は湿度が高く、海風の影響もあるため、以下のような対策が有効です。

 

・皮膚の清潔管理
雨の日の散歩や湿った路面を歩いた後は、足の指の間やお腹、耳の中などを丁寧に拭き取り、濡れた部分はドライヤーやタオルでしっかりと乾かしてあげましょう。とくに長毛種や皮膚トラブルが起こりやすい子には、定期的なシャンプーやトリミングも検討すると安心です。

 

・室内の湿度管理
エアコンの除湿機能や除湿器を活用して、湿度を50%程度に保つよう心がけましょう。また、湿気がこもらないように、一日に数回は窓を開けて換気を行うことも効果的です。

 

・雨の日の室内遊びや頭を使わせる工夫
雨で外出できない日が続くと、運動不足になったり、ストレスがたまりやすくなったりします。そんなときは、知育おもちゃを使った遊びや、キャットタワー・トンネルなどを使って室内での活動の幅を広げてあげましょう。飼い主様と一緒に遊ぶ時間を意識的にとることで、気分転換や安心感にもつながります。

 

・健康チェックの習慣化
皮膚や耳、目、排泄の様子、食欲や元気など、日々の様子に変化がないかをチェックする習慣をつけましょう。「なんとなくいつもと違う」と感じたら、早めにご相談いただくことで、大きな病気の予防につながります。

 

まとめ

・湿度が高い横須賀の梅雨は、皮膚炎や外耳炎などのトラブルが増えやすい時期です
・雨による散歩不足は、関節や筋肉の衰え、ストレスの原因になります
・フードや食器の管理には特に注意が必要で、カビや細菌の繁殖を防ぎましょう
・気圧や環境変化による体調不良を見逃さず、日々の変化に早めに気づくことが大切です
・早めの受診が、愛犬・愛猫の健康を守るポイントになります

 

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